さてさて、短篇特集も
今回で最終問題となります。
解き手の皆様は3問中、
何問解くことができましたでしょうか?
優秀な皆様のことですから、
全問正解ということも、
あり得るやもしれませんね、アト。
………………。
……おやおや。
心ここにあらずといった様子ですが、
どうかしましたか?
いや……前から疑問に思っていたんだが、
この謎バトルって、
どうやって勝敗つけてんだ?
勝敗も何も、これまで出した謎の
8割が解かれているので我々の大敗ですよ。
いやぁ、参りましたね……ふふふっ。
参りましたね……ふふふっ、じゃねーよ!
コミコの解き手もかなり手強かったが、
ストリエの解き手もヤバすぎだろ!
ですが、その方が……我々の目的が、
一日もはやく達成できると思いませんか?
なんせ……どうしても
解いて欲しい謎があるから、
この館に解き手の皆様を
招いているわけなんですから。
まぁ、そうなんだけどよぉ……。
やられっ放しは、面白くねーだろ?
でしたら、とびっきりの謎を出すまでです。
それとも、自分の謎に
自信がないのですか?
おいおい……言ってくれるじゃねーか!
だったら、禅もこの謎に
挑戦しやがれってんだ!
タイトルは『小部屋の素顔』だ!
第二十二夜『小部屋の素顔』
彼氏の暴力が酷い……。
昨日なんて髪を掴まれ、
顔を何度も壁に叩きつけられた。
理由は彼氏の浮気を咎めたから。
確かに、ネチネチと
しつこく文句を言った私も悪いと思う。
だけど、私のほかに
特別な女が4人もいるってどうなの?
私は自分で淹れたアイスティーを
腫れた頬にあてながら、
親友の薫と浩介に愚痴った。
『ばかねー! そんなクズ男に惚れたアンタが
悪いに決まってるじゃなーい!』
『薫の言う通りだ。そろそろ目を覚まして、
他の男にしろって……。』
オネエの薫に兄貴肌の浩介。
ふたりはアイスティーを飲みながら、
呆れた様子で肩をすくめた。
はぁ……たまには私を慰めてよぉ。
友達を部屋に招いての愚痴大会。
これが私の心のより所なのに、
ふたりはいっつも容赦ない。
すると――。
『穂乃香に否はない。
裁かれるべきは、その男だ……。』
『だねー。はっきり言って、
そのチャラ男ちょーしにのってね?
そろそろオレが、ガツンと言ってやろっか?』
クールな翔と元ヤンの隆盛が
空になったアイスティーのグラスを
テーブルに叩きつけて声を荒げた。
ちょ、ちょっと落ち着いて!
ふたりがどうにかするって言って、
前も大変なことになったじゃない!
『そうよ! 穂乃香の前カレを
山に連れて行って……埋めちゃったのよね?』
『お前等、そういうのやめとけって!』
薫と浩介が止めるが、
翔と隆盛は聞く耳を持たない。
『奴は俺が消す……。』
『決まりだな。この世の地獄を見せてやろーぜ!』
ねぇねぇ! ほんとにやめて!
彼にも問題があると思うけど、
悪いところばかりじゃないの!
部屋から出ようとする
翔と隆盛に声をかけるが、
ふたりは私に部屋で待ってろ言い、
さっさとドアを閉めてしまった。
次の日――。
私は絞殺された彼氏の隣で目を覚ました。
さぁ、どうよ?
ああ……これは簡単ですね。
まず、薫さんと浩介さんは……。
のわわっ! やっぱ黙れ!
な……なんなんだよ、お前は!
こういう時は解くんじゃなくて、
いやー難しいですねー! とか言って、
オレをフォローするのがフツーだろーが!
ったく……お前、まともじゃないぜ!
ふふふっ。
貴方こそ、私にまともを求めるなんて
それこそ、まともじゃありませんよ。
……うっせーな。
オレはけっこー……
フツーとかまともに憧れてんだよ。
なるほど…最初はあったアイスティーが無くなっている…(´◉ᾥ◉`)飲むの早すぎ。
1人の人間で飲んでた???二重人格?あ、ちゃうか。多重人格か??