第二章
第二話~最終話
 拓雄ギルド加入~でぶ猫ラファエルまで

 ラファエル視点の
サイドストーリー

というわけなんだけど

 拓がギルドに勧誘されたらしい。
 あの人族三人組がいるギルドだ。
 それに私も参加してほしいとのこと。

嫌よ

そうですよね……

 メガネっ娘からジト目で見られているのも気になる。
 頭が良さそうな人だったから、なにか勘繰られているのかもしれない。

だいたい、貴方よりそのシンって人のほうがだいぶ主人公ぽいのが許せないわね

そうなんですよ! わかってくれます?

は? 貴方がハナクソすぎるって言っているのよ。この屁のカスの粒が

屁のカスの粒!? 最下級感がすごい!

だいたいそんな強そうな人達がいるギルドでハーレム築けるの?

わかんないけど、出会いが多くなるのは間違いなさそうかな。そもそも行く宛がないから僕はちょっと参加してみたい

 行く宛がないのは確かだ。

 拓が望んでいる酒池肉林を達成させて、私は早々に天界へ帰りたい。
 酒池肉林ならここの王様に取り入ったほうが早いのではないだろうか。
 えらく感謝していたようだし。

 王が良い人なのは間違いないの。
 だってご馳走をたんまりくれたから。
 幸せ。

そういや王国が戦果として国で雇ってくれるって言ってたわよ。公務員。王女とか狙ったらいいじゃない

その王女がギルドにいるんですよ

 拓によると、あのツインテガール、シェリーという少女はこの国の王女らしい。
 旅に出すなんてなかなか自由な国風ね。

 平和だわ。

あ、そうだったわね。ふむ……ならいいかもしれないわ。試しに行ってきたら?

え? ラファエル様は?

私は王国でのんびり……いえ、貴方が骨になって帰ってくるのをじっと待つわ。死ねと毎日唱えながら

ええ! ラファエル様のいない豚はただの豚ですやん!

にゃー(いても豚は豚よ。ぶたブタ豚。私は王国のキャットフードが気に入ってるの

そんなに美味しいんですか?

にゃ(ええ。貴方がこの世から消えてくれればもっと美味しいのだけれど)

 この姿は便利だ。
 少しの量でもお腹いっぱいの幸せモードになれるし、多少ナマでもお腹壊さないの。

 そしてあのキャットフード。
 なんてったってコース料理だったんだから。

 魚介の旨味が凝縮された濃厚なスープ、七面鳥のテリーヌ。

 そして、サーモンのグリル~彩り野菜のソースを添えて~、あれは美味でした。

 しかもオーガニックにこだわった新鮮なものばかり。

 最後にはデザートまで……とろけるようなクレームキャラメル。
 ほっぺが落ちそう、いえ、落ちたわ。

じゅるり

僕の命よりキャットフードですか……?

にゃ?(いじけているの? そうゆうの止めてくれます? 本当に気持ちが悪いから)

ぐっ、キモいって言われるより、気持ちが悪いと言われるほうが胸に刺さりますね……

にゃ(まぁ、いいじゃない。死ぬわけでなし。一度参加してみるといいわ、その婚活クラブに)

や、婚活ではないと思うけど

 こうして私はここに残ることにした。
 さあ、今日もお城へご馳走を頂きに……じゃなかった、お城へ巡回にでも行きますか。

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