【34】































飛行船に乗せられて
何時間経ったのだろう。

降りろ


ボクたちは、そう促されて
飛行船を下ろされた。



























わ……あ

雲の上に橋がある。










その向こうに

よくぞいらしゃいました





……雲がいた。

ささ、こちらへ

雲に案内されながら
雲の上を歩く。


なんとも奇妙な光景だ。
例えれば、

プ○ートとグー○ィーは
同じ犬のくせに
どこで地位が違ってしまったのか?

というのと
同じくらいのモニョ感。



彼らは何故
ボクらをここに連れて来たのだろう。
ここでなにをされるのだろう。

……

……

……

誰も、答えてはくれない。










































































さて、ここまで来ていただいたのは他でもありません

牢に入れられるか
人身売買の会場にでも連行されるのかと
思っていたが予想外。

お座敷のような部屋に通され、
その喋る雲のようなものは
切り出した。

実は

……

どちらかに、うちの王子のお嫁さんになってもらいたいと

はあ!?

ああ、だからあの鳥の人は
いらなかったんだ。
男の人だから。

と妙に納得しつつ、
そのために馬車ごと爆破したけど
その辺はいいのか!? とも思う。

実は我が国には王子がひとりおりまして。
私が言うのもなんですが雲のように掴みどころがない方なんですよね。
その性格のせいなのかなんなのか王子は少し……ちょっと……いや、かな~り趣味が変わった方でして、どれだけの美女をならべても首を縦に振っては頂けないのです

だから、ちょっと変わった系ならいいかな~と

……暗に失礼なこと言ってないか?

で、人買いの仲間に紛れ込んで、売られそうな娘の中から適当に拾って来ようと思いまして

どーせ売られちゃったら帰って来られないんだしー、だったらいいかなーって思っちゃってー

失礼ではあるが言いたいことはわかる。
わかるけれど









仮にも王子の嫁だろう?

それでいいのか!?

とツッコミを入れたい。




あれか?

人格的にとっても残念なので
嫁の来てがないまま
初老を迎えてしまいましたとか

そんな感じなのか!?

そういうのは……やだなぁ

ロリコンの気があるとか。

ありえる。すっごくありえる。
でも今ここで
どうこう言える立場じゃない。

あの、だったらボクは男だから駄目です

その時
今までずっと黙っていたシルフィが
口を開いた。

え?

え?

男の子!?

女の子だと思ってた。
と言うか、きっとここの全員が
女の子だと信じてたと思う。

ごめんなさい


いや、ごめんなさいだけど。
ごめんなさいで済まされるの!?


下手したら「男だから」って理由で
爆破されるかもしれないのに!


鳥男さんの最後を
見なかったわけじゃないでしょ!?

……

……

……まぁ……しょうがないですね


しょうがない、でいいの!?
あの鳥の人の立場は!?

それじゃ、そっちのお嬢さんで決定、と

ちょ! 待って!

冗談じゃない。

奴隷も嫌だけど
雲のお嫁さんなんて無理。

ロリコン中年男とか
無理無理無理無理無理無理無理。


しかし悲しいかな
話はボク抜きで進んでいく。

じゃ、あとは王子と会っていただくと言うことで

年寄りは席を外しましょうかねぇ
ほほほほほ

じゃ、頑張ってねお姉ちゃん

見合いの仲人みたいなセリフ
吐いてんじゃねぇ!!


と悪態をつく暇も
与えてもらえないまま
彼らは
部屋を出て行ってしまった。



























ひとり。

このだだっぴろいお座敷に
ボクひとり。

どうしよう


王子というのはどんな人なんだろう。
やっぱり雲なんだろうか。

……そうだよな。

嫁とか

ああそうだ。
王子の好みじゃなきゃいいのか?

今までのお嫁さん候補みたいに
王子から断ってくれればいいんだ。








いや、
だからボクが連れて来られたわけで

……

それはボクが美女ではない、と?


























失礼な!

……と叫んだところで
誰に聞こえるわけでなし。


























それにしても遅いな





待てと言われたが
誰かがやってくる気配はない。

……

……

逃げればいいんだ!








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