ハンターが手を引こうとすると、

それをグッと掴む女房。




なんだべ!

ねえ、どうしてオレがここにいるってわかったの?

この山の事は誰よりもオラが知ってる。
人の紛れそうなところは大体わかる。
かすかな足跡追って来たっけさ

父ちゃんが辿って来たのは人じゃなくてキツネの足跡でしょう?
それとも吹雪が獣の匂いを運んだんかえ?
アンタがここに来るまでずっと元の姿だったから違いねえが

何の話だ?

もういいべ、とぼけねぐったって。
その鉄砲でオレを殺しに来たんだばい?
父ちゃんは村一番の狩猟者だべから
























女房は擬態を解いて銀狐に戻った。




おめえ






銀色の尻尾をフラフラさせながら




今父ちゃんがオレを仕留めなかったらこれからも全部食い殺しちまう。
村の畑も人も、お腹のややこも。

悪いとは判ってっけど、
ねえ、オレどうすればいいんだべ?






















































女狐は半泣きしながら
ハンターに食い掛かってきた。



彼は咄嗟に身をかわし、


銃の導火線に火を付ける。




じゃあ、どうして今までオラを食わんかった?

まらが近くにないとおそそが泣くけえ、お父ちゃんは生かしておいちゃった

全部搾り取った後に食い殺しちまおうって思ってた

ほうか。
オラはおめえの事・・・ドロドロに好きじゃったけえ。
女狐とわかっとっても殺せんかった。
ずっとそばにいたかったんよ

なんでもっと早くに言ってくれんけん?それじゃったらオレは

















ああ・・・嘘だ。

何もできながった。


こんな想いをする前に
食い殺しておけば良がった





































































銃声が女狐の銀の尻尾一本を射抜く。





力が抜けて倒れる女狐。




腕利きの狩猟者は乙女心も狩りに利用できんだなえ

卑怯者。






ハンターは女狐に近づき、

半裸になって身を差し出した。




すまん。何言ってがわかんねえ。
けど食え。オラを食え




続く

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