ラヴェル艦長

何故だ…

リチャード・リース

暗殺者の身元についてだけど

ラヴェル艦長

聞きたくありません

リチャード・リース

聞いて、フランシー、総裁が重症を負っているんだ、旗艦の艦長として宇宙軍幹部として動かなければならない

ラヴェル艦長

陛下

リチャード・リース

それは…今はいいか。暗殺者は地球在住の人間だった。政府の粉がかかっている

ラヴェル艦長

リチャード・リース

よほど煙たいらしいよ、殿下が

ラヴェル艦長

そんな

リチャード・リース

幹部として動くしかないの、緘口令はしけなかった。ニュースとして伝わっている。隙を作るわけには行かない。トマス殿も動けない。姉様とマークス元帥が指揮を取ることになるけど、人員が足りない、解るよね、だから僕まで呼び出されている

ラヴェル艦長

白薔薇亭も、ですか

リチャード・リース

もちろん

ラヴェル艦長

暗殺者は

リチャード・リース

生かしてあるけど…どうかな

ラヴェル艦長

陛下

リチャード・リース

どうなるかな、彼は

ラヴェル艦長

何か

リチャード・リース

うわ言で変なこと言ったらしいよ

ラヴェル艦長

それは

リチャード・リース

科学的に割り切れないので、オフレコ

ラヴェル艦長

陛下

リチャード・リース

殿下に夢の中で襲われたらしいよ

ラヴェル艦長

リチャード・リース

なんだかわからないけど

ラヴェル艦長

陛下、我が君

リチャード・リース

それは、いいの、フランシー、この地上の指揮、僕任されちゃったの

ラヴェル艦長

リチャード・リース

姉様が…

ラヴェル艦長

何か

リチャード・リース

あんた、二年二ヶ月も国王やってたんでしょ、何とかしなさいよ、ですって

ラヴェル艦長

無茶言いますね、アルデモード夫人も

リチャード・リース

言い返せなかった。予備役で僕、殿下の部下だから

ラヴェル艦長

わかりました、私も善処いたしましょう。で、レイモンド博士が現場にいた理由は

リチャード・リース

僕だよ、母様たちが学会と懇親会で留守、ヘンリーは勤め先の病院に聖歌隊の負傷者が運ばれたので、そっちに詰めた

ラヴェル艦長

なるほど、それはいい経験かもしれませんね、ヘンリーには

リチャード・リース

彼は宇宙軍関係者じゃないので、動けない。レイモンは関係しているし、宇宙軍の医局に弟子が何人もいるし、臨時の医局長も勤めたりしているし…

ラヴェル艦長

それは、総裁殿下は運が良かったですね

リチャード・リース

ただ、しばらく動けないんだよね

ラヴェル艦長

状態は

リチャード・リース

昔なら即死レベル

ラヴェル艦長

なるほど

リチャード・リース

状況検分、フランシー、してきてくれるかな

ラヴェル艦長

はい

リチャード・リース

ストークフィールドでも君をかばったんだね、彼

ラヴェル艦長

ええ、そうです

リチャード・リース

ごめんね、フランシー

ラヴェル艦長

あなたの謝罪は要りません、陛下

リチャード・リース

リシィはダメか

ラヴェル艦長

この場合はダメです

艦長が出て行った。

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