慧人

淳史は桜花の好きな人分かる?

淳史

いやあ、まあ・・・
あの行動で気づかない人の方が珍しいとおもいますよ

慧人

だよなー
俺もそう思うわ

「そうだよな・・・普通に考えて周知のことだよな」
誰に言うわけでもなく、慧人は遠くを見た

淳史

そのことと、先輩が呼び出されたことと何の関係があるのですか?

慧人

んー
普通恋バナという類は女子の大好物・・・
ただし、桜花はその対象から除外される

除外

淳史の頭の中に言葉が大きくのしかかる
そうか。そういうことか・・・
桜花先輩の好きな人は、同性の先輩。普通に考えたら理解されがたいのかもしれない

淳史

で、でも
だからって先輩にわざわざ桜花先輩のことを言いつけなくても・・・直接話せばいいじゃないですか

慧人

そう言うところはさすが女子っていうか
・・・気持ち悪いんだって

淳史

先輩の言葉が苦しそうな色を持ってる

たまたま好きになった人が同性
ただそれだけのこと、今の桜花を見ていたらそう思うしかなかった

だからこそ、淳史は慧人のクラスメートの行動が理解できなかった

淳史

その・・・
先輩はその状況を異常だと思わないのですか
桜花先輩のためにも・・・なにか・・・

慧人

・・・俺は、無力だから
だからこそ、こういうことしかできないのかも

ははは
と乾いた笑いを浮かべ、慧人は背もたれに体を預ける

慧人

え・・・

上げた視線の先に今一番みたくない顔があった

…そして最も話を聞かれてはいけない相手

桜花

誰もそんなこと・・・
お願いしてない

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