う……うぅっ……。
ちょっと、早希っ!?
泣くことはないじゃない!
う……ううううぅ……。
あっははは~っ!
みんな、おはようっ!
えっ?
私は目を疑った。
ワケが分からなくて
頭の中が真っ白になってしまった。
だって目の前には転校したはずの
綾音が現れたんだから。
おはよう――って!?
早希、どうしたっ?
朝から大泣きしちゃって、
宿題忘れたか?
でも私のは
写させてあげられない。
なぜなら私も宿題を忘れたからだ!
あーっはっは!
むしろ写させてくんない?
オナシャス!
綾音っ! 綾音ぇ~っ!
私は綾音に抱きついて大泣きした。
強く抱きしめた。
うん、これは幻なんかじゃない!
この温かさと匂いは
間違いなく本物の綾音だ……。
ったく、さては勘違いしたなぁ?
私が転校したとか、
思ったんでしょ?
えっ? 違うの?
私がしたのは“引っ越し”だよ!
店の上の部屋は手狭だから
近所に新しく家を建てたの。
あ、建てたのは私の親ね。
私もそっちへ移ったのだ!
きっと話が伝わるうちに
引っ越しが転校に
すり替わったんだと思うぞ?
良かった……良かったよぉ……。
するとすかさず綾音は
カバンからコンデジを取り出して、
私の写真をパシャリ。
そして満足げに微笑む。
はい、綾音の泣き笑い顔、
いただきました。
私はこれをコンテストに出すよ。
最高にいい感じに撮れてるもん。
……いいよね?
ダメだよ、バカ……。
やっぱり私は
この天才的な感性を持った親友には適わない。
でも私は私のやり方でやればいい。
そしてこの大好きな親友を
いつか絶対に追い抜いちゃうんだから!
だから……私たちはずっと一緒にいようね……。
終わり
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ありがとうございましたっ!