とても至急そうには思えない放送に、疑問を覚えながらも保健室へ足を運ぶ。
え~、高等部一年上条智也君、至急保健室までお願いします
はい?
とても至急そうには思えない放送に、疑問を覚えながらも保健室へ足を運ぶ。
別に何かやらかした覚えもないし、書類の不備もないはずなんだけどなぁ
失礼します。上条です
おぉ、来た来た。泉から連絡はあったかい?
…ないですけど
何でこの人は、会うたび会うたび、泉の事を聞いてくるんだろうか
そんな怖い顔すんなよ~。…そっか、しなかったかアイツ
あの、用件は
あぁ、それね
泉なら熱が出ていたから家に帰したよ
えっ
さらりと爆弾を落とされる。
いや、この人保健医なんだから知ってて当然なんだろうけど。
…連絡ぐらいしろよ、泉
……あいつの昔話は知ってるかい?
はい、本人からじゃないですけど
今回もそれが原因
あ、あと単純に迷惑かけたくないんだろうね
…っ、なんでそんな…!
知ってるかって?これでもあの子のおねぇちゃんその15くらいだからさ、あの子は私の幼馴染の可愛い妹だからね
…そう、なんですか
早く行ってあげなよ。あの子をもう、一人にしないでおくれ
思わず、朱里先生の顔を見る。
何を考えているかは、わからなかった。
…もちろんです
俺が保健室を出ようとしたところで、朱里先生の小さなつぶやきが聞こえたような気がした
……
ははっ、そういうとこ、君のお兄さんそっくりだ。……期待しているよ、上条君