京谷 朱里

38度9分…、休めよ

永音 泉

うっ…

私は今、保健室の朱里ちゃんのところにいる。
朝から続いていたダルさが二時間目にしてピークを迎えたためだ。
一時間だけ寝ようと思っていたのがこの様だ。

京谷 朱里

どーせ、授業は必修以外サボってんだろ?
なら、帰れ。早退届は出しといてやる

永音 泉

…はい

京谷 朱里

お前のことだから、上条には言うなって言うんだろ?言うからな

永音 泉

それはだめ!

京谷 朱里

くだらない意地張るな!素直に同居人を頼る!

永音 泉

でも、それで、うつったら悪いし…

京谷 朱里

頼ってくれねー方が寂しいと思うけどなぁ…

永音 泉

うっ…

京谷 朱里

まぁ、自分から言えるなら言いな
私は昼休みになったら連絡するから

永音 泉

…わかった

京谷 朱里

…ほら、送って行ってやる

永音 泉

…ありがと

優しい朱里ちゃんに手を繋がれて反抗する気はなくなってしまう。そのままあっという間に旧館図書室の居住区の前まで来てしまった。

京谷 朱里

暑いかもしれないけれどちゃんと布団でおとなしく寝ること。それから、ちゃんと水分はとること。スポドリはあるか?

永音 泉

トモ、籠排部だから…

京谷 朱里

なら、あるな。それ飲んどけ。薬はあるなら用法容量をちゃんと守ること。それとご飯はちゃんと食べること。ダメそうだったら私の携帯に連絡。おっけー?

永音 泉

わかった……

京谷 朱里

ん、いいこ。おやすみ、ゆっくり寝な

最後に、私の頭を撫でて満足そうに朱里ちゃんは保健室に帰っていった。

永音 泉

相変わらず、お世話焼きさんだなぁ……

なんて思いながら、家に帰る。そのまま、自分の部屋に入ると急にしんどさが増してきたような気がする。

永音 泉

とりあえず、着替えて……

携帯だけカバンから取り出して充電しておく。
もちろん、手の届くところに。

永音 泉

トモに、連絡…

永音 泉

どうしよう、したほうがいいよね…?
でも、朱里ちゃんが、昼休みにするって……

頭がボーッとして考えがまとまらない。
思い浮かんでは消えていく。

永音 泉

すこ、しだけ…
……おやすみ、なさい

pagetop