ドッペルゲンガー編

下の句








一応念のため、


仕事中にO君にも
お祓いに行く旨を話した時、


意外と彼は冷静に




O君

そうですか





の一言だけでした。








そしてその数日後、


東京は聖蹟桜ヶ丘にある
小野神社にお祓いに行きました。


因みにこの町はジブリ映画
『耳をすませば』
のモデルとなった場所で
有名らしく、


神社に行くまでの
水路を泳ぐ鯉や石畳の通りは

ジブリを想わせる清らかな
何かが漂っています。




橋本ピッツァ

まあ自分はジブリ映画全然好きじゃないんでよくわからないですけどね。





それはさておいて

神主さんにこの一連の
ドッペルゲンガー現象について
素直にお話したところ、


前例がない
(霊的現象なのか判断しにくい)
との事だったので




❝体からこれ以上魂の精力が抜けていかないように❞







という題目の下、
お祓いの儀式は始まりました。









椅子に座り、

神主さんの祝詞(のりと)を
聞いているうちに
肩周りからじわりじわりと軽く、

温かくなっていく感じがありました。









だいぶ体が楽になってきたので
ふと薄目を開けると、


境内の外に白い影のようなものが
シュッと一瞬
通っていくのが見えました。









あの日は雨で誰も
参拝客はいなかったので、


あれが何だったのかは
未だにわかりません。








お祓いが終わった後は
心身共に落ち着きました。









その旨をO君に話したところ




O君

そうでしたか。
それは本当に安心しました






と安堵の表情を見せた後に




O君

今だから言えるんですけど、お祓いに行くんだと言ってくれた時に僕が素っ気なく返事したのを覚えてますか?実はあの時、僕とHさんの間を猫背でガリガリの中年の男がすっと通って消えて行ったんですよ

橋本ピッツァ

え?それってもしかして

O君

…はい。あの日、Hさん❝らしき人❞と自転車でニケツしてた後ろの男です






ここからは余談ですが、




そもそもなぜこの一連の奇妙な出来事の原因は何かを自分なりに考察してみました。









おそらくそれは騒動の
二か月くらい前の
知人の誘いで


都内有名コースを
ジョギングしに行ったこと
ではないかと考えています。









久々に5キロほど
ジョギングして運動し、


その日の寒暖差もあい重なってか、


翌日体調不良で
ダウンしてしまいました。









それからずっと背中に
違和感があったので、


整体の師匠に背骨を矯正して
もらいにいったのですが、


何度やっても全く
施術の矯正が入らない
という不思議な現象が起こりました。









しかし、

お祓い後にもう一度
同じ施術をしてもらうと
普段通り矯正が入って
背筋がピンと伸びた、


という事がありました。









因み小野神社の
鳥居の前に着いた瞬間、


背中がいつも以上に
ズキズキと痛み、


吐き気も襲ってきました。








さらに後日調べて
わかったのですが、


その有名ジョギングコース
を囲うように並ぶ
ビジネスホテル群には
たくさんの自殺や事故があったり、


ジョギング中に心臓マヒで
死んでしまうケースが
多々あるのが明らかになりました。





橋本ピッツァ

いいや。
ムカつくし、誰かのためになるかもしれないから伏せるのヤメます。

ズバリ皇居です。

別に〇翼とかじゃないですけど、
冷静に考えたら天皇、あるいは神様のお墓の周りをグルグル走るなんて本来罰当たりも甚だしいはずです。
みなさん、コンディション悪い時に皇居周りを走るのは控えましょう。
全部持っていかれます、多分。






O君が見たという
中年男性の霊の特徴も
その層に当てはまるような気がします。









それと当初、


副業が軌道にのらない、


30歳手前での肉体的変化など
転換期で気持ちが弱っていた自分には
憑依しやすかったのではないか
とも思います。









ただそうなると

結局この一連の現象は
心霊体験なのか、


ドッペルゲンガー現象なのか
分別が難しいのです。



ある一説によると、


ドッペルゲンガー現象というのは
その人が人生の分岐点にいる時に
起こりやすいそうです。



その苦難を乗り越えると
大成功をし、


越えられないと死が訪れると
言われているらしいです。









正直、


乗り越えたか?


と言われると整体業を
逃げるようにして辞め、


お祓いに行くことで
心の平穏を取り戻した
くらいしかやっていないですし。









要は


“損切りして生き永らえている”


だけなので
大成功といえる事は
特にありません。









いずれにしても、


あの時たしかに自分は
死の危険性を感じましたし、


今現在は目に見えない何かに
怯えるような事は無く
平穏に暮らしています。



単に中年になって鈍感に
なっただけかもしれません。








お終い


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