ーー?????

アルマ

う・・・うう・・・ん・・・

アルマ

あ、あれ・・・?ここは・・・?

アルマー!!

アルマ

・・・・・・・・・?

ごめんねアルマ!遅くなっちゃった!!

アルマ

ううん、いいよ。そんなに待ってないし・・・

アルマ

・・・あ、あれ・・・?今、勝手に・・・!?

アルマ

って言うか・・・声でない・・・どうして!!

なら良かった~!

ねえねえ、今日は何して遊ぶ?
鬼ごっこ?かくれんぼ?それとも・・・探検?

アルマ

んー・・・そうだなぁ・・・
今日はシルフいないし、そんなに遠く行ったら心配させちゃうよね・・・

あー、そっかぁ・・・

じゃあじゃあ、水遊びしよ!!基地の下で!!

アルマ

・・・基地・・・?

アルマ

うん!そうしよっか!!

アルマ

基地・・・そういえば・・・シルフとイマガイに修行に来たとき・・・僕が穴に落ちて、それで・・・

アルマ

う・・・あたま・・・いたい・・・

思い出すな

アルマ

!!!

思い出しちゃ、いけない・・・だって、そうしたら「僕」は・・・!!

アルマ

いたい・・・気持ち悪い・・・何なんだ、これ・・・!!

シルフ

アルマ、本当に一人で大丈夫か?

アルマ

大丈夫大丈夫!シルフは基地で待っててよ!

アルマ

ここに兵士が入ってきたら大変だし・・・

シルフ

そりゃあ、そうだけど・・・

アルマ

そんな心配しないでよ!仮にも、僕は天族の王子なんだよ?

アルマ

自分の身くらい、自分で守れなきゃ・・・

シルフ

・・・・・・・・・・・

アルマ

それじゃあ、行ってきます!

シルフ

アルマ!!

アルマ

・・・・・・兵士?何それ・・・そんなこと、どうして・・・

アルマ

ぐ、う・・・な、何・・・?

いやああああああああ!!!アルマ!!アルマああああ!!!放して、放してよおおお!!!

アルマ

ーー、ダメ・・・逃げーー

アルマ

ッ!!!!!

アルマ

い”・・・!!あ”、あぁ・・・!!

身体ごと持ち上げられる・・・痛い・・・痛い、いたい・・・!!!口に何かが逆流してくる・・・吐き出す・・・赤い、熱い・・・なにか・・・

アルマ

あ”っ・・・ぐうぅ・・・!!

いたい

アルマ

ッッッ!!!!

アルマ

い、今の・・・夢・・・?

アルマ

・・・・いやな夢だったな・・・

アルマ

・・・?

視線をずらすと、ベッドの端に頭を預け、シルフが眠っていた・・・被さった髪をかき分けて顔を覗くと、目元にひどいクマができていた・・・

アルマ

そうだ・・・僕は確か、ケルブルと戦って・・・それで・・・

アルマ

シープラさんは・・・!?ルフさんの告白はどうなったんだろう・・・?

アルマ

それに、ここは・・・?

ベッドのすぐ真横にあった窓をカーテンの隙間から覗く・・・そこは・・・

アルマ

・・・・・・!

アルマ

どこだここ・・・?モーヌスーンじゃない・・・?出発しちゃったのかな・・・?

アルマ

みんなに挨拶していきたかったな・・・

アルマ

・・・・・・でも・・・

空を見上げる。そこには、大きな丸い月があった。淡い光を放つそれは、ひどく妖艶で、美しかった。

アルマ

綺麗だなぁ・・・

アルマ

・・・そうだ。シルフとあったのも、こんな月の綺麗な夜だった・・・

あの時のシルフは・・・そう、なんて言うか・・・全部諦めたような顔をしていて・・・だからこそ、助けなきゃ、手を貸してあげなきゃって思ったんだ・・・。

アルマ

・・・・・・こんなに月が綺麗に見えるのは、君がそばにいてくれるからかな・・・?

シルフの頭を軽くなでる・・・すると彼は、くすぐったそうに顔を少ししかめた。

起こさないようにゆっくりとベッドを出て、シルフを抱きかかえ、そのままベッドに寝かせた。

アルマ

・・・?

シルフの頭から何かが落ちた・・・これは・・・

アルマ

・・・騎士に任命したときにあげた羽根飾りだ・・・まだ持っててくれたんだ・・・

羽根飾りをベッドの隣にあった棚の上に置き、僕もそのままベッドに潜り込む。

アルマ

・・・温かい

イマガイに来てすぐの時は、毎日こうして眠ったっけ・・・頼れる人がお互いしかいなくて、すごく不安だった・・・

アルマ

今日は、ちょっと不安なんだ・・・甘えさせてよ、シルフ・・・

氷のように冷たい僕の身体で、温かいシルフの身体を包み込む・・・温かい・・・人の身体って、こんなに温かいんだ・・・

アルマ

・・・おやすみ、シルフ

シルフの額にキスを一つ落とし、僕はやってきた睡魔に身体を預けたーー。

pagetop