ゴーストバスター編




一番初めに違和感に気づいたのは
大学入学のために上京して
部屋を探している最中の事。




不動産と一緒に物件を
見て回っている時、

部屋の物置にある段差の上に
置いておいた缶コーラが
始まりでした。







不動産の女と窓際で
間取りの話していてパッと
コーラを取ろうと思って
物置側を振り向くと







缶コーラが倒れていて中身が
段差から床へと垂れていたのです。







その時は部屋の窓は
閉め切られていたし、

コーラを置く時もちゃんと
固定されているのを
目視していたはずでした。




橋本ピッツァ

とりあえず汚したの不動産にバレなくてラッキー





ぐらいに思ってとりあえず
その場は去りました。








次に異変が起きたのは
千葉の親戚宅に泊まった時の事。








アパート入居までの3日間限定で
居候する事になったのですが、

泊まって二日目の夕飯で
おばさんに言われたのが



おばさん

何かピッツァが来てからおかしいんだよね

橋本ピッツァ

何がですか?

おばさん

昼間一人で掃除してたんだけど、二階を掃除してると3階から人の気配するんだよ。実際見てみると誰もいないし、マナミ(自分のいとこ)もやっぱりいなかったらしいんだよね

おじさん

ピッツァ、何か連れて来たんじゃないの?お前、この家来てからずっと左肩下がってるし。ドゥフフ!

橋本ピッツァ

いや、笑いごとじゃねえよジジイ






たしかに一階の風呂場に行く際に、

向かいの誰もいないはずの
祖父母の寝室から何か
気配を感じるなあと思って
目をやった瞬間







という壁時計の針とも
二階からの物音とも違う
何か鈍い音が何度かしました。




橋本ピッツァ

これはいわゆるラップ音というやつなのでは?























実はその一週間前。



福島の実家に帰省している最中、




件の妹と自分の部屋の
アナログテレビが砂嵐のまま
全く映らない、



という現象が起きていました。




妹(マリナーラ)

古いから寿命かなあ






などと話していたのですが、

気になって実家の母に
テレビの件で電話してみると




橋本ピッツァ

そういえば俺の部屋のテレビまだ映らない?

いや、そういえばまた映るようになったかな。










そんな不安を抱えたまま、


アパートへの入居初日の夜。



まだ荷解きも住んでいない
6、5畳の部屋に寝袋で
横になるや否や








と室内のどこかから
破裂音が聞こえました。







はじめは新居によくあるという、

木柱が乾燥によって鳴る音と
思っていたのですが、

あまりにも頻度が激しい。



指折り数えてみたら
10分に一回は鳴る計算でした。




橋本ピッツァ

ひぇ~、お助け!

おじさん

ピッツァ、何か連れて来たんじゃないの?お前、この家来てからずっと左肩下がってるしドゥフフ!

橋本ピッツァ

あいつが変な事言うからだ!責任とれ!!






怖くなった僕は藁にもすがる思いで
千葉のおじさんに電話をかけました。




橋本ピッツァ

おじちゃん。部屋が以上にパキパキ鳴って怖いんですけど。それに実家でも異変があったようで

おじさん

あのな、ピッツァ。落ち着いて聞け。今から玄関とベランダに盛り塩を置け。そして玄関に向かって今日から毎晩“悪霊退散”と100回唱えろ

橋本ピッツァ

いや、こっちは真剣なんですけど!





と叫びかけたが、

実際お祓いするお金もないし
神社も知らない

(まあ、10年後『ドッペルゲンガー編』
でお世話になるのですが今は割愛)







結局僕はおじさんの
胡散臭い助言通り、
伯方の塩(粗塩)1㎏を購入。



100キンの皿に
こんもりと盛り塩をして
説明通りにセッティング。



それから恥を忍んで


橋本ピッツァ

悪霊退散、悪霊退散…






と黙々と唱え始めてから
一分と経たないうちに









何と天井の壁がけたたましく鳴り出す。



まるで何か生き物が壁を
這い回るように勢いで
その謎の物音は駆け巡りました。

橋本ピッツァ

ひぇ~。お助け!
でもここで唱えるのを辞めたら殺される!






と感じ、

僕は屈することなく延々と
悪霊退散と新居で唱え続けました。



すると今度は









壁にもたれるよう立掛けておいた
伯方の塩1kgパックが
物理的にあり得ない地面側の
方向に倒れたのです。




橋本ピッツァ

くっそ~、負けるもんか!!

橋本ピッツァ

悪霊退散!悪霊退散!…

橋本ピッツァ

ひぃ!
それでも悪霊退散!悪霊…






延々とその繰り返し。



日が経つにつれ徐々
にその音は止んでいき、

自分の身の回りに起こる違和感も
少しずづ消えていき、



大学の入学式を迎える頃には
すべてが解決していました。





橋本ピッツァ

一体、どこでもらって来たのだろう?





そう考えた時、
一つだけ思い当たる節がありました。



浪人生活中、

家と予備校の通学路の途中で
あった葬斎場です。




橋本ピッツァ

受験勉強で気が病んでいる時に彼らに付け入るスキを与えてしまったのでは?





という仮説を立てました。



因みに、



『シャワーを首根っこの後ろに
  当て続けると呪縛霊が取れる』


というのが何故か
ファミ通に記載されていて、

それを素直に試したのもまた
功を奏したのかもしれません。








因みに後日おじちゃんに
感謝の電話を入れると

「そうかそうか。
ドゥフフ、
まあ新生活頑張ってね」

とだけ言われました。



この事件て実はおじちゃんが
仕組んだ罠だったんじゃないかって
たまに思う時があります。




おしまい



次回
ドッペルゲンガー編
に続く

pagetop