橋本ピッツァの
気の毒な戦い







まえおき

橋本ピッツァ


どうもこんばんは。
作者です。

本作は我が半生で実際に起きた三大“多分”心霊バトルを思い出せる限り書き起こし、
原因を考察、
対処法を振り返る
という怪談エッセイでもあり、
ある種のマイノリティーリポートです。

橋本ピッツァ

はじめに保険かけて言っておくと、
正直今から書く事って事実のはずなんだけど確証がない事象ばかりです。

はっきりと幽霊を見た!って事は無くて、それらしき違和感演出のオンパレードってかんじ。

自分自身、胡散臭くて半信半疑なエピソードばかり。

一方的に僕だけが損した感覚だけが残っているんですよねえ~。

なので、

嘘つき。誇張して書くなハゲ!

橋本ピッツァ

って言われたら「そうかも!ごめんね変な事言って!」って思っちゃうし

実は私も中学生の時に同じような事があってetc...

橋本ピッツァ

なんて言われたら
「だよね!あるある!わかるわかる!ホント大変だよね~」
って思ってしまう、
かなり優柔不断なレベルなんです。

 

橋本ピッツァ

そんなわけでまずは自分が18の夏に体験した“金縛り編”から披露したと思います。

それではよろしくお願いいたします。










金縛り 編















あれはたしか18歳の夏休み。



部活も引退し、
受験勉強に苦しみ、
当時ファンだった
釈由美子の初スキャンダルに
大いにショックを受けていた10代。




人生初の金縛りに遭いました。



ウワサには聞いていたけれど、
徐々に手足の先から痺れていき、
腹の真ん中にドスンと
重いモノが乗っかる感覚。



次第に手足は
完全に動かなくなり、
ろくに息も出来ない
“ヤバい”感覚が体中に
蔓延しました。


橋本ピッツァ

あ。…うっ。助…け、て





二段ベッドの上で眠る妹に
助けを求めようと声を出しても
こんな感じで
起こすほどの声量に
至らないもどかしさ。


不安にさいなまれていると

























という何ともいえない
不快な音が足元の方から
聞こえてきました。





















徐々にその音は
耳元へと近づいてくる。





音の頻度も多くなり
同時に何かノイズが
聞こえてきました。







耳を澄まして…



というよりは何も出来ない
わけだから自然と近づいてくる
その声を聞き取ると



それは次第に


うぅ~、うぅ~




という誰かの唸り声だとわかりました。



へそ当たりまで近づいてきた段階で

うぅ~

死ねぇ~

死ねぇ~




という老人の声が段々
はっきりと聞こえてくる。




橋本ピッツァ

いま目を開けたら確実にヤバい、死ぬかもしれない




直感的にそう思った
自分は目を閉じ、



ひたすら声と金縛りが
去って行くのを待ちました。









何となく恐怖が薄らいで
きたので目を開けてみると










ベッドの天井を
木彫り版画のような
影が右から左へと
ゆっくり抜けていきました。





それから徐々に硬直が解けはじめ、

体が動かせるようになったので





自分は咄嗟に電気スタンドを
つけてそのまま布団に
深くくるまって寝ました。



そして翌朝目が覚めると
電気スタンドの灯りは点いたまま。







つまり自分が体験した金縛りは
夢ではなく本当に起きた
出来事ということになります。








その件を霊感が強い(らしき)
妹に話してみると



妹(マリナーラ)

私も金縛りよくなるよ。
ウチの向かいの神社にキツネいるじゃん?
あれが襲い掛かってきたから一生懸命スパイダーマンの糸出して迎撃した。
疲れて大変だった。

橋本ピッツァ

お、おお…





我が妹ながら正直後半は
何言ってるか意味が
分からなかったけれど、



神社がちょうど実家の対角線に
あることは事実であり、

山奥にひっそりと構え、

傍を大きな川が流れる
一軒家なので磁場的に
何かを呼んでしまう

ムードは少なからず
あるのかもしれません。





それとこの時期は
オシャレで付けていた数珠が
なぜか授業中にバラバラと
はじけ散ったり、



例のごとく女の子に
フラれていて気持ちが
不安定な思春期だったことに
なにか関係がある気もするけど、



もう15年も前の話なので
詳細な事は覚えていないです。





おしまい



次回
“ゴーストバスター編”
に続く

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