心霊アパート
其の五
心霊アパート
其の五
ガチャッ。
バタン。
カン カン カン……
昨夜の酔っ払いが出勤する音で目が覚める。
時刻は早朝5時。
ゆうべは結局何も起きなかった。
まぁ、何も起きないのに越したことはない。
朝食をとり、身支度を整えて研修に向かった。
研修はそれなりに大変で、あっという間に時間が過ぎていく。
そして1日目の工程が終了。
帰ろうとロッカールームに入ると、研修を担当している先生が話しかけてきた。
君は確か〇〇(勤務先)からだったよね?
あっ!
ハイ、そうです。
ということは、例のアパートか。
えっ?
いや、君も聞いてると思うけど、あそこは本当に出るらしいね。
……………。
ただ、今まであそこで見たという研修生は、研修の終盤で疲れが溜まった時に見てるらしいよ。
だから君は疲れを溜めないようにしないとイカンなっ!
ハッハッハッハッ!
はぃ……。
(いやいやいや。それは無理でしょう。)
全く他人事だと思って、変なことを言ってくれる。
その言葉に引きずられながら、アパートに帰り着く。
部屋は女物の香水の香りと、誰かいるような空気そのままである。
このままじゃ耐えられない。
すぐに家電量販店と100円ショップに走る。
そして、数十枚の写真を印刷。
それをネットで見た風水の方角へ飾り付ける。
北には熊本県の水辺の写真を。
南には夏の北海道の写真を。
東にはフェリーで見た日の出の写真を。
西には京都の黄色い紅葉の写真を。
全国を駆け巡って撮影した写真がこんな形で役立つなんて…。
写真を飾り終えた時点で、不思議と空気が変わった。
香水は残り香程度になり、視線を感じなくなった。
どうやら一定の効果があったようだ。
ただ、この効果がいつまで続くことか………。
しかし、そんな思いは杞憂であった。
それから妙な現象は一切起きなくなったのだ。
しかしそれは、毎週末アパートから家に戻り、休日を満喫した影響もあると思われる。
研修先の先生が話した「疲れを溜めるな」
これを実践した結果かもしれない。
そんな日々が過ぎ、研修も残り2週間となった。
ー続くー
こんにちは。
今回スーツ姿のカズリーです。
ここまで読んでくれてありがとう!
暑そう。
その袖バッサリ切っちゃいなよユー。
ワイルドだろぉ?
えぇ?おい。
(スルー)
実は写真を整理していたら、その当時の写真が出てきたんだ。
特別にここで公開しようと思ってね。
ええぇえぇーーっ
見たい見たい見たい怖い!
いやぁ、そんなに怖いもんじゃないよ。
こちらです。ドン。
↓↓↓
あ、例の紙で包んだ「何か」が写ってたね。
ブルッ
ではまた次回をお楽しみに!