一度だけ、彼と大喧嘩したあことがあった。
きっかけは、ささいなものだったが、お互いに一歩も譲らず、最後には殴り合いにまでなった。
正直このまま彼とお別れするのかと思うと、とても寂しかった。
だが、プライドが邪魔をして、なかなか謝ることができなかった。
その日の夜、私の部屋に、手紙が届けられた。
手紙には見覚えのある字で「ごめん」と書かれていた。
私はそれを見て、泣きながら笑ったものだ。
一度だけ、彼と大喧嘩したあことがあった。
きっかけは、ささいなものだったが、お互いに一歩も譲らず、最後には殴り合いにまでなった。
正直このまま彼とお別れするのかと思うと、とても寂しかった。
だが、プライドが邪魔をして、なかなか謝ることができなかった。
その日の夜、私の部屋に、手紙が届けられた。
手紙には見覚えのある字で「ごめん」と書かれていた。
私はそれを見て、泣きながら笑ったものだ。
………
では、先ほどの通り、ディスナティへは主軍、別動隊による2面から侵攻します
ディスナティは海に面した国。こちらが海上から攻めることは予想済みでしょう。そのため、別動隊に別方向から奇襲を仕掛けてもらいます
……本来、戦力を2個に分けることは下策と言われています。しかし、それは妖術を除いた場合の話
海上で隙をつければ我々の圧倒的有利です。別動隊の横やりが入れば、たとえ魔法大国のディスナティでも魔法を使わせる前に負かすことができます
いかがですか、榊将軍?
……うむ、異論はない
出発は明後日、それまでに船を含めた最終準備を急げ!!
はいっ!!
皆のもの、大儀である。この神も皆のことを誇りに思おう
此度の戦、この神も参陣しよう。皆に神の加護があらんことを
セヘル様ーー!!
神様万歳!!
後のことは頼むぞ、十四郎
……承知しました
………ふぅ
やはり、元来俺に将軍など向いていないのかもしれないな……
風音や皆の助けがなければ、まともに会議もできない。何年経ってもままならぬものだな……
待っていたぞ
誰だ?
私だ
………ソール
……………
弟子からあらかた事情は聞いた。十国とディスナティが戦争をしようとしているとな
……ああ
ディスナティの代表として頼む。今からでも遅くはない。戦争を止めてくれないか
先生………
ディスナティには私が責任をもって止めて見せる。だから、頼む、十四郎
ソール……すまない
…………っ
先生、もう……
………何故だ
ん?
何故十国はディスナティとの戦争に踏み切った!この戦争は十国に何のメリットもないだろう!!
ここで戦争をしては、何のために君が………!!
盟を破ったのは、そちらではないのか?
……どういうことっすか
こちらにも報告が来ている。我が国の大使が2名、ディスナティで殺された。しかも拷問にかけられた上でな
それは………!!
十国の人間がスパイ疑惑で捕まった話だ……。捕まった2人は妙なことを口走って自殺したんだっけ………
その2名は俺の直属の部下だった!彼らに密偵など頼んだ覚えはないし、そんな事実はどこにもなかった!
何故ディスナティは2人を拘束した!!答えてみろソール!!
………っ!!
……あの時点で、盟は崩れてしまっていたんだ
分かっただろう。十国は、ディスナティと戦をする動機があるのだ。偽りの事実で、民を殺された恨みがな
……良いだろう
何!?
先生止めてください!なんで跪いているんですか!!
ディスナティ代表・ソール・グルナディエとして頼んでも無理なら……
この国の民である、「水男」として改めて頼む
どうか戦などお止めください……榊将軍
……どういうつもりだ
この十国内において、もっともディスナティに近く、海に面しているのは……
漂着した私を助けてくれた村なのです
……なんだと?
てか、マジで溺れてたんだ先生……
私は、十国が好きです。自然が豊かで美しく、なにより人々が皆優しい
そのかけがえのない村が戦禍に巻き込まれるというのは、万が一にも避けたいのです
どうかお願いです榊将軍!今一度戦争を止めるようお考えに――――
ならば、水男殿にこの国からの追放命令を出そう
…………なに?
これは命令だ。水男よ、疾くこの十国から去るが良い
…………
……それがお前の答えか
………そうだ
……いいだろう
先生……
……行くぞ、マジー
…………
すまない、ソール
これが、「神」の意志なのだ………
………先生
すまない、マジー
何かを言う前に謝らないで下さいよ
カシェさんから、転送アイテム預かってますよ
2つ
それがあれば1個で2人転送できる……上等だ
シャルム達と合流するぞ、マジー
………はい