あの動物を見た翌日。
いってきます
あの動物を見た翌日。
私はいつもより少しだけ早い時間に家を出た。
ちゃんと家に帰れてればいいけど・・・
昨日、あの子を見つけたあたりを見回してみる。
いない・・・かな
たぶんちゃんと家に帰れたんだろう。
そう思い学校に足を向けた。
おはよー
おはよう
神木ちゃんといつものように挨拶を交わす。
朝から笑顔でいられる彼女はいつも元気だ。
今日、一限から移動授業だよ
あれ、そうだったっけ?
教室にいても喋ってるだけだから早く行っちゃおう
そうだね
朝から女学生を移動させるなんて・・・次元の狭間に落ちたらどうするんだ
時間はあんまり関係ないと思うな
ならワープゾーンだ!
すぐさま移動教室へワープ!
しないよそんなの
やっぱり朝から元気な神木ちゃんと一緒に廊下を歩いていると、
・・・・・・あれ?
つい数分前までいた教室で自分の席に座っていた。
今日、一限から移動授業だよ
隣りでは神木ちゃんがさっきのように立っていた。
か、神木ちゃん、私たちさっき移動してなかったっけ?
ん? なになに、せっちゃんもなんか新しい不思議な話見つけたの?
いや、そうじゃなくてさっき・・・
おしえておしえてー。
神木ちゃんに変なところはないし、周りも特に変わっていない。
気のせい・・・なのかな
ほらほらーもったいぶってないで教えてよー
ごめん、特にそういうのはないんだ
えー! 引っ張っておいてそれはないよ
教室移動しようか
朝から女学生を移動させるなんて・・・次元の狭間に落ちたらどうするんだ
時間はあんまり関係ないと思うな
・・・やっぱりさっき聞いたような
ならワープゾーンだ!
すぐさま移動教室へワープ!
ねえ神木ちゃん、さっきその話・・・
今日、一限から移動授業だよ
え?
変だ、絶対に変だ。なにかが絶対におかしい。
神木ちゃん、なんか変じゃない?
・・・・・・ついにせっちゃんにも変って言われたー
ああ、違うの。ごめん、ごめんね
周りのようすはやっぱり変わってない。
さっき見た通りの光景が流れている。
どうしたら・・・
せっちゃーん、なんか言っておくれよー
ごめん神木ちゃん! ちょっと出てくる!
私は教室を飛び出し、校内を走った。
時間が巻き戻ってる?
私だけがそれがわかってる?
なんで・・・どうしたら・・・
階段の踊り場にまで来たとき、見慣れない人影がいくつかあった。
ここじゃないか?
このあたりなのは確かなんだが
・・・不審者?
!? おい、あそこの子!
その中の一人が私の存在に気付き周りの人に声をかける。
よし、捕まえろ
!?
捕まえる!?
なんで!?
自然と体が動き、走り出していた。
あ! 待て!
なんで、おいかけて、くるの
このままだと捕まってしまう。
でも、このままだと、また教室に
どうしたら変わる。
どうしたら変えられる。
わう
あ、キミは!