母が作ってくれた夕ご飯は、どれも私が好きなものばかりだった。
痛いほどに、私を心配してくれているということがわかったけれど、食欲は一向に湧かないし、さらにはうっすらと吐き気まで催してきてしまったので、食べられそうなものだけを選んで少量口に運んだ。
そんな私の姿を、父は何も言わなかったけれど、心配そうに見ていた。
夕ご飯の後、私は自分の部屋に来ていた。きっと、ここにある。私のカンはそう告げていた。
高校の卒業アルバムを棚から取り出し、あの時と同じようにテーブルに広げた。違うことは、今私がこれをたった一人ぼっちで見ているということだけだ。
そして、私はタツキと私のクラスのページに、いつも通り空色の封筒が挟まっていたのを見つけた。