いつも通る通学路の途中。電柱に体を預け私は呟いていた。
お父さんもお母さんもなにかおかしいよ
いつも通る通学路の途中。電柱に体を預け私は呟いていた。
十分ほどそうしていただろうか。道の向こうに裕美の姿を見つける。
裕美ー、おはよう
咲。おはよう
ねえちょっと、最近気になってることがあるんだけど、聞いてくれない?
ああ、学園祭について?
違うよ。私のお父さんとお母さんの話し
私の言葉に対する裕美の返事を聞いた瞬間。私の背筋に寒気が走ったんだ。
そんな事より学園祭だけどさ。お化け屋敷とかしたいよねー
裕美ももう、私の知っている裕美じゃないのね
最後にそう言い残して、私は通学路を離れ一人駆けだした。
裕美は追って来なかった。まあ、思った通りだ。
私は一昨日の裕美が話した、”仲間外れ”話を思い出す。
皆が同じ毎日を繰り返しているみたい。それを不思議に思ってるのは、私だけ
つまり、私がここでは”仲間外れ”なのだろうか。
だとしたら。
『”仲間外れ”を
探している人がいる』
ううん。ただの噂よ。気にすることない
でも、辺りを歩いている人たちみんなが怪しく見えてしまう。
周囲に警戒しながら、私は近くにあった公園のベンチに座った。
これからどうしよう
一人、私は小さく呟いた。足の力を抜き、ぷらんぷらんと前後に振る。
と。
誰かに後ろから肩を叩かれた。
恐る恐る、私はゆっくりと振り返る。
振り向いたその先で、赤い瞳のその人は、ニッと笑ってこう言った。
「仲間外れ、
見ーつけたー」
今日の栗ご飯も美味しかったな
咲ー! 裕美ちゃんが来たわよー!
はーい!
お待たせ裕美。じゃあお母さん、行ってきます!!
ところで学園祭だけどさ。お化け屋敷とかしたいよねー
うんうん。やっぱり文化祭はお化け屋敷だよね!