芹羽

悟もかなり分かりやすいけど、灼もすぐに態度に出るよね。

週明けの月曜日。灼の表情はとても明るかった。

悟は思っていることがすぐ口に出る(というより、すぐ口に出す)タイプだが、灼は思っていることがすぐに態度に出るのだ。

そ、そんなことないし……

日曜日の帰りからずっとご機嫌よ
顔に書いてある

芹羽

ほんといつまでたっても仲いいんだから
うらやましいわね

静と芹羽がニヤニヤとはやし立てる。
いつもの光景だった。

浩太

相変わらず、悪趣味に楽しそうだなお前らは

少し離れた場所で聞いていた浩太が話しかける。
こんなことを言いながら、浩太も灼を囃す気満々で近づいてきた。

なんか、あんたにフォローされるのちょっとムカつく。

浩太

そりゃねぇだろ

芹羽

でも、よかった~
灼が髪切ったのに気がつかなかったときにはどうなるかと思ったけど、機嫌直ったみたいだし

芹羽の安堵の声に浩太が反応する

浩太

また悟がなにかやらかしてたんか?

芹羽

そう、灼が髪切ったのにきがつかなかったんだよ~。ホント鈍感だよね

浩太

これに気がつかないのか?
俺でも気がつくぞ

4人がそんな話をしながら談笑していた。

芹羽の後ろに悟が立っていた。
それに気が付いたのは浩太だった。

浩太

お?鈍感坊主のおでましじゃねぇか

……

珍しいわね悟
いつもなら会話関係なく割って入ってくるのに

……

悟……?

……

ここにきて、この場にいる全員が悟の違和感に気が付いた。

芹羽

もしかして……悟なんか怒ってる?

人のこと鈍感鈍感って

もしかして、そう言われてるの気にしてた?

鈍感でもバカにするんだな……

芹羽

どういうこと?

芹羽が問いかけた瞬間だった。
悟の表情が一気に変わった。

お前のせいなんだよ!
芹羽ぁ!

突然の怒鳴り声に教室が静まり返る。

視線を集めた芹羽はおろおろするしかなかった。

芹羽

わ、私のせいって

やっぱりわかんねぇか……
お前こそ鈍感そのものだな

そういって悟は教室を出ていった。

浩太

お、おい!
悟!

浩太はその後ろを追っていった。

第7話:サトリ・サトラレ

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