カズリー

いやー、暑いね~。
暑いので久々にヒヤっとする話でもしましょうか。

ももママ

よっ、夏の風物詩カズリー!

カズリー

風物詩て…。
やぁモモ、夏バテはしていないかい?

ももママ

大丈夫大丈夫!
基本涼しい室内で過ごしてる引きこもり主婦だから。
カズリーこそ、このクソ暑い中バイクで走ってそうだから、今頃蒸発してないか心配してたよ。

カズリー

心配してくれるのはありがたいが、私を勝手に蒸発させないでくれるかな。

ももママ

今日はどんな怖い話をしてくれるの?

カズリー

昔、期間限定で幽霊アパートに住んだことがあってね。
そのときの話をしようかと。

もってるねー。
引き出したくさんもってるねー。











というわけで……















心霊アパート
其の一
















それは数年前のできごと。







私は職場の長期研修のために、県の最北端に位置する街に来ていた。






仕事のキャリアアップを図るべく、ここにある研修機関で約2ヵ月間勉強する。














研修先に挨拶を済ませ、その足でアパートに向かう。







このアパートは、研修のために職場で長期借りている一般のアパートだ。






しかし、某ウィークリーマンションとは違い、家具家電などは全部自分で用意しなければならない。







私は自家用車に荷物を満載し、アパートを目指した。
















研修先から15分ほどで到着したアパート。








車を駐車場に停めようと、部屋番号のふってある駐車場を探す。








ほどなく見つけることができたが、何か違和感がある。



















周囲の駐車場と色が違う。









一部をコケのようなもので覆われた駐車場。









その大きさは明らかに軽乗用車サイズ。








先日まで、ここに長期間放置されていたのだろう。








何も気にすることなく車を停め、そこから見ることができる2階の部屋を見上げる。


















カーテンは解放されており、外から天井が見えていた。









しかし、なぜだろう。










無人のはずなのに、人が住んでいる気配がする。







カズリー

この前までAが住んでたからかな。









そう。この部屋はつい数週間前まで、同僚のAが研修で使っていたのだ。









そう思い、何も気にせず外階段を2階へと登っていく。



















登りきると同時に、爽やかな風が吹き抜けた。









2階からは海が見渡せ、そこに点在する島々が美しく見える。







カズリー

これから2ヵ月間がんばるぞ!









気持ちを新たに、部屋の方に向き直る。

























しかし、そこに広がっていた光景に私は絶句した。












ー続くー



pagetop