あれ……ササミさんの部屋の扉が開いたままだ
な、なに?
コレ………………
どうしたの
……………っ
ダメだ、死んでいる。
どうして、ササミさんが。
ササミさん! ササミさん!
榊、落ち着いて!
冷静にならないと!
窓ガラスの破片が部屋の中にある、
それは外から誰かが侵入したってことだ。
だけど、ここは断崖絶壁で外から侵入なんてベランダしか…………
待って、ササミさんの部屋の番号って
私の部屋は301号室よ
隣の部屋は
私は302だったよ。
何かあったら訪ねてきてね
……
ベランダを渡ってきたのか
あ、アンズちゃん! 大変だよ
ダメだ
…………
あんた、邪魔だよ
え?
………
ど…………うし……て
榊………
大丈夫だよ、橘くん。橘くんのことはこんな風には殺さないから。
ミントちゃんは私の敵。
ミントちゃんは橘くんが好きだった。だから私は彼女を殺さないといけなかったんだ。
他の人は
五月蠅そうな人たちは、全員黙らせたよ。
ササミさん、私から橘くんを取ろうとした。
弟さんと重ねてた。弟さんの代わりにするつもりだったんだ。
………
だから殺したの。
そしたらね、他の人たちも邪魔に見えてきたの。もう誰が誰なのか、わからなかった。
とりあえず、目についた人たちは黙らせた。
………
考えるのも、面倒だったんだよね。
変だよね、凄く悲しいの
あずさ………
違うよ、名前で呼んで
……アンズ
うん。ここで、待っていてね。
全員、殺してくるからね。
そしたら、一緒にいこうね。
…………
どこで、間違えた………………何を間違えたのだろうか
部屋割りだろうな。
まさか窓が開く部屋があったとはね。
……神田さん
302号室の窓だけ、鍵が閉まっていなかっただと?
おかしい。
昨日のうちに全ての部屋の確認はしていたはず、確認していたはずだ……証拠はないけどな。
……大丈夫、ですか?
ああ。人の死を目の当たりにすることには、もう慣れたよ。慣れたくもないけどな。
俺が目覚めるのは、いつも三木に鍵を預けてからなんだ。
だから、鍵を回収することは出来ない。
窓を固定させたのは、それ以前のこと。何度も死んでいるからだろうか………記憶が曖昧になっているんだ。
窓のことだけど、僕たちが勉強している間にもう一度窓を全て固定する方法は?
窓はコンクリートで固めていたんだ、簡単にできるものではない。
また今日が始まるのなら……その時は全ての部屋の窓の確認をするよ。
他にも窓が開く部屋があるかもしれないからな。
はい…………
もしも、次に目覚めた時……この記憶があったのなら僕にも考えがある。
梓の行動は止められるかもしれない。
………
僕が目覚めるのは、このホテルに入る直前。三木先生から鍵を受け取る前だから。
だけど、今回は…………
橘くん?
僕の所為で殺された。
みんな………僕の所為で殺されたんだ。
僕に出来ることは、梓に僕を殺させないこと。
………
仕方ないな、付き合ってあげるよ。
俺の死は、橘くんの所為じゃない。俺の選んだ死だ。
………………