橘 ハヤト

……何もしなければ焼死、
梓のところに行けば梓と一緒に溺死

橘 ハヤト

ホテルに入らない、
その選択肢をすればどうなるのだろうか

笹 ササミ

ハヤト、具合でも悪いの? 
ぼんやりしているけど

橘 ハヤト

いや、大丈夫

梓 アンズ

目が覚めるように、歌ってあげようか

滝 ナガレ

おまえ、音痴だろ。
ハヤトが永遠の眠りにつくからヤメロよな

橘 ハヤト

それは、出来ない……
ホテルには入らなければならない

橘 ハヤト

そういえば、ササミさんもクルミさんも何でいるの? 
今日って中学生の合宿だったはずだけど

樹 クルミ

先週、言わなかったっけ? 今回の合宿の手伝いだよ

橘 ハヤト

そうだっけ

滝 ナガレ

ハヤト、大丈夫か? 
ぼんやりしすぎだろ

橘 ハヤト

昨日のゲームが盛り上がってさ

滝 ナガレ

ハヤト、それで寝てないのか。
道理でぼんやりしているわけだ。

笹 ササミ

受験生がゲームしちゃダメでしょ

橘 ハヤト

だって、楽しいから

笹 ササミ

アンタが私の弟だったら、グーで殴っていたところね

橘 ハヤト

ササミさん、弟がいたの?

笹 ササミ

去年、事故に巻き込まれていなくなっちゃったんだけどね。
落ち着きのない子だったから、目が離せなかったんだ。目を離したときに事故にあってさ。悔しいよ、どうしてあの時、目を離したのだろうかって

橘 ハヤト

………

笹 ササミ

そういう顔しないの!

橘 ハヤト

いや、弟さんは幸せだったろうなって思っただけだよ

笹 ササミ

…………

樹 クルミ

あれ? ササちゃん泣いてる?

笹 ササミ

な、泣いてないわよ

三木 キミ

お、集まってるな!

橘 ハヤト

また、自由時間が始まった。
梓に関わらないように………

梓 アンズ

橘くん?

橘 ハヤト

ごめん。
問題でわからないところがあったから、ちょっとササミさんのところに行ってくるよ

梓 アンズ

うん、いってらっしゃい

橘 ハヤト

何を話しているの?

榊 ミント

橘くんもリンコちゃんからサイン貰えば?

橘 ハヤト

え? アイドルとか興味ないし

リンコ

あら可愛くない男ね

橘 ハヤト

僕より年上なんだよね

リンコ

永遠の十七歳よ

橘 ハヤト

それでも年上

リンコ

ああ、ムカつくわね。

笹 ササミ

何、怒らせているのよ

橘 ハヤト

……いや

笹 ササミ

女性に年齢の話は禁句でしょ

橘 ハヤト

いや、僕はアイドルのサインは要らないって言っただけ

笹 ササミ

つべこべ言わないの! 乙女心を知らない悪い子は、私が直々に補習してあげる

橘 ハヤト

え?

榊 ミント

え?良いなぁ。あたしもササミさんの補習受けたい!

笹 ササミ

二人まとめて、付き合ってあげるからテキスト持って、私の部屋の前に集合。私の部屋は301号室よ

橘 ハヤト

はい

笹 ササミ

部屋の中を片付けたいから30分後にね

橘 ハヤト

了解

榊 ミント

はーい

榊 ミント

あれ? 
せっかくの自由時間なのに、あたしってば補習するの?

橘 ハヤト

榊、自分で参加するって言ったよね

榊 ミント

うん

橘 ハヤト

じゃあ、逃げないでね

榊 ミント

はい

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