神田 カナト

さて、仕入れたばかりの100%オレンジジュースを召し上がれ

滝 ナガレ

オレンジジュースかよ

榊 ミント

わーい

橘 ハヤト

いただきます

佐糖 カカオ

……………

リンコ

……………

三木 キミ

さて、食後は自習時間だ。
各々、勉強してくれよ。

橘 ハヤト

………

橘 ハヤト

前回は、すぐに部屋に戻って就寝。
だから、今回は違う行動をする。

橘 ハヤト

少し散歩するか

梓 アンズ

橘くん

橘 ハヤト

梓、どうしたんだ

梓 アンズ

部屋に戻ってみたけどやることなくてね。
だから、散歩しようかな~って思ったんだよ。
もしかして暇?
ホテルの探検とかしてみない?

橘 ハヤト

そうだね

島野 メイ

こちらは、立ち入り禁止です!

梓 アンズ

え? そう言われると気になるよ

島野 メイ

物置になっているのですよ。

橘 ハヤト

梓、メイさんを困らせたらダメだろ

梓 アンズ

じゃあ、私の部屋に来てよ

橘 ハヤト

仕方ないなぁ

梓 アンズ

私の部屋、窓が開くんだよ

橘 ハヤト

え?

神田 カナト

窓ですか? すみません、当ホテルの窓の向こうは断崖絶壁、海になっております。事故防止の為に窓は開けられないように固定してあるのですよ

橘 ハヤト

窓は開かないはずだけど……

梓 アンズ

ほら

橘 ハヤト

本当だ、落ちたら死ぬよな

梓 アンズ

うん

梓 アンズ

……

橘 ハヤト

梓?

梓 アンズ

私、志望校ダメかもしれないんだ

橘 ハヤト

そうなんだ

梓 アンズ

パパとママはそんなことないって言ってるけど、模試の結果が酷くて

橘 ハヤト

………確か、S女だっけ

梓 アンズ

うん、海外交流が盛んだから授業も英語

梓 アンズ

パパもママも模試の結果を見てくれないの。ご近所や親戚中に、私が来年からS女に通うんだって話して回っていて

橘 ハヤト

……

梓 アンズ

橘くんと、同じ高校に行きたい

橘 ハヤト

一緒には行けないだろ。
うちは梓のところみたいにお金持ちじゃないから平凡な公立なんだよ。

梓 アンズ

……

橘 ハヤト

嫌味っぽく聞こえたらごめん

梓 アンズ

ううん

梓 アンズ

ここから飛び降りたら幸せになれる気がするの

橘 ハヤト

それは違うと思うけど

梓 アンズ

だよね、ゴメンゴメン

橘 ハヤト

………

梓 アンズ

………

梓 アンズ

パパが憎い、ママが憎い

梓 アンズ

どうして、私の話を聞いてくれないのかな

梓 アンズ

私の話を聞いてくれるのは、橘くんだけだよ。橘くんなら、一緒にいってくれるよね。うん、いってくれる。そう言ってるもん。

橘 ハヤト

梓?

梓 アンズ

そうだよね、私は橘くんと、一緒に

一緒に、一緒に………

橘 ハヤト

梓 アンズ

いなくなったほうが良いんだよ………私たちは

これで、一緒に逝けるね……………

橘 ハヤト

また、八月三〇日の朝

梓 アンズ

橘くん!

橘 ハヤト

梓 アンズ

どうしたの、顔が真っ青だよ

橘 ハヤト

何でもないよ

梓 アンズ

行こうか

橘 ハヤト

そうだね

橘 ハヤト

今日が始まる、だけど、
明日は来るのだろうか……

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