タイムマシン
タイムマシン
ボクは、ガラクタがたくさんある倉庫へ向かった。
おっ
丁度いいものがあった。
なんかこれ、スピード出そう。
やっぱ、こういうの、楽しいかも。
反重力装置をどこかで見たような気がするから、それをこれにくっつけて、
あった
元々そういうものだったのか、ちょっと手を加えただけで、光速で動けそうな乗り物になった。
こんなもんか?
何してるんだ?
試しに作ってみたんだ。
何を?
タイムマシン。
え?
短時間で作ったにしては、
なかなかな物ができた。
お前、まさか、
過去に戻るって言うんじゃ……。
そうだよ。
環境問題をどうにかするなら、悪化する前になんとかした方が早いだろ。
おい、それはあいつらに
言ったのか?
カナンとマギーか?
別に言わなくてもいいだろ?
すぐに戻ってくるし。
ボクはタイムマシンに乗った。
こら!
何、行こうとしてるんだよ!
行くんじゃない!
戻れ!!
やだよ~。
ボクは扉を閉めた。
リュウ!リュウ!!
外のマイクがチャシャの声を拾っていた。
通信設備はまだ生きていたみたいだ。
何、必死になってるわけ?
テスト飛行なんだから、大丈夫だよ。
マイクに向かって言った。
外のスピーカーでチャシャには聞こえているはずだ。
テスト飛行だ?
ふざけてるんじゃねーぞ!
聞こえたみたいだ。
カナンたちには
伝えておいてくれ。
待てよ!
行くな!
うるさいな……。
スピーカーを切った。
チャシャは何かを叫んでいるのが小さなモニターから見えたが、ボクは普段はめったに開けることがない扉を開け、その扉に向かってタイムマシンを進めた。
あそこを抜けると
地上だ。
地上に出たが、古い映画で観たような景色は広がっていなかった。
単一な世界。
紫がかった茶色が大地を覆っていた。
空の色はどよんっとしている。
この小さな乗り物から出たら、ボクは数秒ももたずに死ぬだろう……。
ゆっくり旋回して、宇宙を目指す。
これを、青い空と
緑の大地にするなんて……。
無理だよ……。
暗い空を抜け、一気にスピードを上げる。
もうちょいか……。
この時、
ボクは思ってもみなかった。
ボクにとっての明日に、
カナンもマギーも
チャシャも
いなくなってしまう
ということを