彼の強さは、圧倒的だった。
子供内でも強かった私どころか、自国の武官をまとめてやっつけてしまった。
大の大人がポカンと口を開けているその中心で、彼は頬をかいていた。
その日の夜に私は初めてこっそり彼の泊まる宿に忍び込み、剣の稽古をつけてもらった。
今思えば、私がここまで剣を極められたのは彼のおかげだったのかもしれない。
彼の強さは、圧倒的だった。
子供内でも強かった私どころか、自国の武官をまとめてやっつけてしまった。
大の大人がポカンと口を開けているその中心で、彼は頬をかいていた。
その日の夜に私は初めてこっそり彼の泊まる宿に忍び込み、剣の稽古をつけてもらった。
今思えば、私がここまで剣を極められたのは彼のおかげだったのかもしれない。
さて、私もそろそろポイントと接触するか……
十四郎のお膝元だ。私も本気で取り組まねば
あ……あの………
ん?
ど、どうか……お恵みを…………
物乞い……十国にもいるとはな。ここもあまり経済的に芳しくないのだろうか……
どうか……どうかお恵みを……
とはいえ、さすがに見て見ぬ振りもできないな。幾ばくかの金なら渡してもいいだろう……
…………ん?
…………
………タイミング悪いな
先生、すぐそばに反応があります
タイミング良いな!!
え?
……なんでもない
こっちも確認した。そっちも頼むぞ
了解っす
……そこのフードの青年よ。少しいいか
っ!?
これからは、もう少し上手く魔力を隠すことだな
チイッ!!
転送魔法か!逃がさん!!
ヤベッ大分逸れちゃったな
焦ってたとはいえ、慣れない転送魔法なんて使うんじゃなかったな~
てか、さっきの人ソール・グルナディエ様じゃね?あのエタ国との戦争を1人で終わらせたとか言う化け物――
我が第一魔法源を解放せよ!魔剣・クロワ・アルシュ!!
へっ?
おおおおぉぉぉっ!!
はあああぁぁぁっ!!
えっ!?ちょっと!?
何っ!?
お前は!?
……あれ?2人はお知り合いで?
ソール……なのか?
あぁ……
久しぶりだな……十四郎
あぁ……久しぶりだな、ソール
ちょっ、急に抱きつくな!!
ずっと会いたかったのだぞ……手紙も出せずにすまなかった
分かったから一旦離れろ!!
…………2人はそういうご関係で?
そのとおりだ
違う!!
なんか、とりあえず逃げても大丈夫そうな雰囲気だな……今のうちに転送魔法で遠くに飛ぶか……
私が何故貴様の逃げ道が読めたか分かるか
へっ?
簡単なことだ。転送魔法は魔力の残滓ごと自らを別の場所に転送する魔法だ。だが、貴様の転送魔法は非常にお粗末だ。魔力の残滓が糸を引いていたからな
俺も似た理由だ。この付近で異様な気配を感じたからな
よく考えると、今ディスナティと十国最強の将軍に囲まれてるんだよな俺……
逃げられるわけもないか……
さて、こいつの処遇だが
こいつはディスナティの人間だ。私が責任をもって処分しようと思うのだが
待てソール。ここは十国の領地だ。その男の身柄はこちらに預からせてもらう
…………仕方ないか
ソール様!投げるの早すぎませんか!?
当たり前だろう。ここはディスナティではないのだ
その代わりと言ってはなんだが、ソールは一緒に城まで来てほしい。俺の親友だからな、丁重にもてなしたい
ああ。丁度別件で城に誘われていたんだ。是非行きた――――
そこで、さっきの続きをしよう
しないから!!