2025年4月9日(水)
04:55PM






































若葉下

君たち、
今日は校舎裏の掃除ね。












学人

はい!

……

優一

えー……

学人

……



学人

……校舎裏の掃除?







若葉下

わかった?





学人
学人

なるほど……。

学人

さすが先生だ。










若葉下

わかったら
サッサとやらんかい!
暗くなっちまうわ!







学人

はい!

……はい。

優一

やだなぁ……。










肝田

♪〜

露江

お!やべぇ!出てくるぞ!
隠れろ!




長身の少女は素早く


廊下のかどに身を隠した。






一方、夢見心地の


出歯亀少年は虚をつかれた。



肝田

え?あれ?

肝田

マシュマロ二つが……






肝田

うっ……

学人

お……。

なんだ?

優一

んー?

学人

肝田《かんだ》じゃないか!
どうした、こんなところで?

優一

この子、肝田くんって言うのか。






露江

うわぁ……
肝田、ドン臭いなぁ……





肝田

あ、いや……
マシュマロ二つ……。

学人

マシュマロがどうかしたか?

肝田

しまった!
マシュマロとか言ってしまった……。
ごまかさなくては……。

肝田

……先生に呼ばれたんだ。

学人

……先生に?

優一

へー、僕らと一緒だね。

学人

……俺達と一緒?



学人

………。

学人

肝田……。
まさか、お前もとは思わなかった。

肝田

え?

学人

だが、ライバルは多いほうが
燃えると言うもの。

優一

え?ライバル?

優一

肝田くんも住吉さんを!?

優一

……肝田くん。

肝田

なんだね?

優一

こればかりは、
僕も譲る訳にはいかない。

優一

君にも負けない!

また……長くなりそうだな……。

肝田

なんなんだ?こいつら……。

肝田

俺様の肝田帝国を揺るがすつもりか!?

肝田

やれるもんならやってみろ。

学人

お!やる気じゃな!

肝田

しまった!
声に出してしまった……。

肝田

あ、いや……。

優一

ライバルだね。
僕は負けないぞ!

肝田

いや、だから……。

学人

『嫌だから』とな。
ふふふ、全く譲る気無いな!

優一

むむむ……。

学人

まあ良い。
若葉下先生がおあつらえむきの
勝負方法を提示してくれた。

優一

え?そうなの?

肝田

ちょちょちょ……
まて……

学人

それに則って行うとしよう。

優一

望むところだ!





露江

なんかますます
変なことになってきたぞ!
























学人

さて、ではルールを整理しよう。

優一

うん。

肝田

うぅぅ、断れずに連れてこられた……。

学人

季節は
若葉萌え出づる春。

見よ、これを!












\もっさー/

優一

うわぁ、すごい草ぼうぼうだね。

ふふふ、どうだ驚いたか!

肝田

おのれ、マナビヤ。
偉そうに……。



学人

西日の当たるこの校舎裏には
日々雑草が生える。
抜いても抜いてもきりがない。

学人

そこで若葉下先生は
校舎裏の若葉の掃除……。
つまり、この雑草駆除を競わせて
優劣を決めようとしたわけだ。

肝田

……なんだよ、それ。




学人

さっすが先生じゃの。
まさか、自分の名前にかけてこんな事を
考えておろうとは。

優一

先生、いつそんな事を言ってた?

学人

言ってない。

肝田

え?

学人

言わなくとも分かるんもんさ。

優一

へー、マナビヤくんすごいね。

学人

なんだ、大林はわからなかったのか?

優一

あ、うん。

学人

ふふふ……。
その程度で俺のライバルが務まるかな?

優一

クッ!負けてたまるか!






学人

お、いかんいかん。
時間ばかりが過ぎてしまう。

学人

おしゃべりはここまで。
期限は日没までとする。

学人

それでは『校舎裏清掃合戦』……

学人

始まりじゃぁ!

肝田

なんで俺様がこんな事を……。

優一

よし!住吉さんの前で
いいところを見せるぞ!

優一

あれ?

優一

住吉さんが……いない……。























掃除メンバー3人に増えた事だし、
帰ってもヘーキだろ。




おっと、校門の外に出る前に、と。














校舎裏にて











つづく

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