ぼくのいいたいことが
わかっていただけただろうか
そう。
もし
何か過去に戻って違うことをしたにせよ
他の未来にはなにも影響がないということ
それは
新たな未来を生むだけ
もしくは
あらかじめ
神とでも言っておこうか
その存在に用意されていた未来に
過去に
触れただけ。
チェックシートを一つ塗りつぶしただけ
だから
今こうしてぼくが
前回と違った本を読んでいても
なにも影響はない
ただ
僕が新たな知識を得ている
時間軸を飛び越えて
それだけは違うこと
体に許された寿命というものは限られている
たとえタイムリープをして
幾千回、幾万回も
飛びかえって行き来したとしよう
その世界の人間にはどのようにうつるのか
答えは簡単だ
”そこにある世界の自分はその年齢の自分”
のポジションが用意されているだけ
3652回タイムリープしたとしても
僕がいた世界の人間に一日で10年の月日が
僕に課された
そう見る人はいない
僕がいた世界では
タイムリープした僕は
きっと行方不明になっているだろう
そこから先の僕は存在しない
タイムリープ先では
僕という存在が上書きされ
その時点で僕はその年齢の
僕として存在しているわけで
過去に飛んだにもかかわらず
おそらく今から10年後に飛ぶことになる
僕が産まれたという事実はおそらく
変わりようがない
1年前にタイムリープしたとする
世界の情勢
おきていることは
今僕が存在する20XX年の1年前だろう
でも
3652回一日を繰り返し過ごしたとする
そうしたら
おそらくその世界の僕は
いまの年齢の10歳上であり
今から9年後の
1年前の世界が広がる世界に
飛ぶのだろう
じかんというのは
恐らく相対的に存在する
それぞれに
それぞれの世界が存在して
それぞれの時間軸
それぞれの平行世界が存在する。
ゆえに
僕がもし
僕の世界の過去の何かを
改変したとしても
他の人の世界には何も関与が無いといえる
だからこその
相対性理論
なのだろう。
絶対的な世界時間というのは
無限に広がる
アカシックレコード
それのみ
一秒前でも
還ったら別の世界なのだ
その世界では
僕は一秒余分に過ごしている僕なのだから
だが
その時間軸をゆがめ
他の世界にわたる方法が無いのと
その世界に存在する
個
は
そこにしか存在しない
だから
その存在を
消していい理由にもならないし
むちゃくちゃしてもいい理由にもならない
ここからは僕の仮説だが
おそらく何か重大な罪を犯したとする
それこそ親殺しをしたとする
そこからタイムリープして未来に行くと
どの未来に行っても僕の罪は消えない
犯罪を犯したものとして
裁かれる
そういったことになるのだろう。
もし世界を壊す過ちをしたら
世界は僕を許してはくれないだろう
過去に戻ったところで
もう一人の僕ってのは存在しない
存在が上書きされるから
あくまで上書きなのだ
犯罪を犯した日に戻っても
僕はもうその罪に
手を染めていることになっているだろう
世界は間違いを犯す
そんな人間を許しはしない。
もう二度と犯した罪からは逃げられないのだ
僕が存在し得ない未来に飛んでも
なにか違った形で
ぼくという個は存在して
そこは上書きではなく挿入になるんだろう。
だが罪は消えない
そう思う。
犯罪者にタイムマシーンを渡してはいけない
とはいうけども
結局逃げられはしない
世界はやさしく
かつ
残酷なのだ