さて、そろそろポイントと接触するっすよ……
いや、というか……
……あの人だよね、確実に
……………
うっはー、マジで分かりやすい恰好してるな
それで、どうしたらいいの?
しっかし、あの陰険で育ち過ぎたコウモリみたいな顔、マジで見覚えあるな。どこだっけな……
マジーさん!!
どわっと!聞こえてますよお嬢さん!
一応っすけど、2人は武術をやってたりしてます?
ううん。農作業で工具を使うことはあるけど、あとは何も
私は筆より重い物は持てない
そういうのは聞いてないっす!
あの……私達だれも戦えないんじゃ?
おっと、魔法を忘れてもらっちゃ困るっすよ。俺は攻撃魔法は苦手っすけど、サポートはマジ得意分野なんで
んじゃ、俺の指示通りに動いてください。マジでとっつかまえるんで、安心してくださいよ
ねぇねぇ、おじさん
な、何かなお嬢ちゃん
その格好、面白いね。暑くないの?
ああ、これは特殊な素材でできているんだ。だから、見た目よりも暑くないんだよ
すごい!まるで魔法みたいだね!
あ、ありがとう……
ナンパか?魔法使いさん
ナンパなどしておらん!!
何故魔法使いであることは否定しないのか、聞いてもいいかな?
くっ!!
逃げたよ!!
追いかけるぞ、若奈
はあっ……はあっ……
すっかりコースから外れてしまった……。他の2人に託すほかないか
やっぱり、お仲間がいたんすね
誰だ!?
真打ち参上っす!
あなたは!!
やっぱりカシェさんでしたか~。マジどこかで見たと思ったんすよね、そのコウモリみたいな髪型
…………一体、どうやって私の先回りをしたのかね?
先回りってほどじゃないっすよ。索敵魔法でアンタの位置は把握してたし、アンタが止まった場所に即座に移動しただけっす
自分だけなら、転送魔法も使えるんすよ、俺
先程の2人も、仲間だったわけか………
マジで簡単に言うなら、ゲストみたいなものっすよ。見た目からして体力があるようには見えなかったし、2人には走る速度を上げる魔法をかけておきました。負荷はありますけど、その分アンタは逃げるために更に必死になりますからね
なるほど、完敗だ………マジー様
様付けなんてやめてくださいよ。俺はマジでただの魔法使いの弟子なんすから
とりま、引き上げてくれないっすか。今王都には先生もいますし、この意味分かりますよね?
あのソール・グルナディエ様が!?この十刻にいるのですか!?
マジっすよ。とりあえず、アンタだけでも先に退いてくれれば他の2人も察してくれるっしょ。カシェさん、頼んます
………そうか。ソール様がいるのなら伝えなければならないことがあるのだが
だが、私は現状を報告した方がよさそうだ。代わりに、マジー様に伝言をお願いしたい
俺にっすか?
あの方は昔この国の将軍と友好関係を結んだ。尚更伝えねばならない
ディスナティは今――――