港での挨拶の後、彼は沢山の大人に囲まれて城の方へと向かった。
あの一瞬目があったことを喜びながら、私は内心彼に会うことはないと思っていた。

しかし、奇跡は起きた。
彼と一緒に過ごすことができるようになった。

再会した彼は、照れくさそうに頬をかいていて、私は誰が私を選んだのか分かってしまった。

シャルム・ソー

さて、神様にも会えましたし、帰りますか

ソール・グルナディエ

待て。このまま城に向かう

シャルム・ソー

城ですか!?

マジー・プリエール

マジで訳ありみたいっすね

古森

城なら歩いて10分ほどだが、行くのか?

ソール・グルナディエ

ああ。一応招かれているしな

古森

ここが、城を結ぶ橋だ

ソール・グルナディエ

一気に和風になったな……

マジー・プリエール

やっぱり、人は多いっすね~

古森

といっても、普通の人が来れるのはここまでさ。なんたって、城だからね

若奈

ねぇ、これって私達も行っていいのかな?

シャルム・ソー

まぁ、ついていかないと先生は何するか分かりませんし

ソール・グルナディエ

お前達に言われたくない!!

ソール・グルナディエ

っ!

若奈

ソールさん?どうしたの?

ソール・グルナディエ

………マジー

マジー・プリエール

はい?

ソール・グルナディエ

索敵を展開。範囲はこの王都

マジー・プリエール

どうしたんすか先生?俺の索敵は魔法を使う奴しか拾えないんすよ?

シャルム・ソー

……魔法使いがこの王都にいるってことですか?僕達以外に

ソール・グルナディエ

確証はない。だが、今かすかに魔法の気配がした

古森

そんなことが分かるのか?

シャルム・ソー

先生はこれでも歴戦の魔法使いですから

マジー・プリエール

だとしても、王都全体ってマジ広いっすよ。人だってごまんといるし

ソール・グルナディエ

お前ならできるはずだ。やってくれ

マジー・プリエール

………まぁ、そこまで言われたらやるしかないっすよね

マジー・プリエール

それじゃ、失礼しますよっと

若奈

これが、魔法?

シャルム・ソー

兄さんの十八番の索敵魔法です。あの浮かび上がってるのは地図なんですよ

古森

なるほど、それで探そうというわけだな

ソール・グルナディエ

まぁ、索敵というよりは検索に近いがな。こういった魔法は私は上手くないから

マジー・プリエール

……見つけたっすよ。微かに魔法を抑えてるけど、完璧に隠せる俺や先生たちに比べたらマジセンスないっすね

マジー・プリエール

人数は3人。いずれもこっちに向かってきてるっす

若奈

こっちって、この城ってこと!?

マジー・プリエール

まぁ絶対とは言えないっすけど、十中八九城を目指してるでしょうね。問題は何をするつもりなのかってところっすけど……

シャルム・ソー

もしかして、将軍の暗殺とか……

古森

暗殺!?

若奈

じょ、冗談だよね……?

マジー・プリエール

否定したいのはやまやまっすけど、こうも魔力をちらつかせながら城を目指してるってのはマジ怪しいっすね

ソール・グルナディエ

……シャルム、マジー、手を貸せ

ソール・グルナディエ

何をする気にしろ、ディスナティの評価を下げられるのは避けねばならん。私達でこの3人を捕まえるぞ

シャルム・ソー

まぁ、先生ならそう言うと思いましたよ。でも、3人は僕らが捕まえるとして、若奈ちゃん達はどうします?

ソール・グルナディエ

2人はマジーについて行ってもらおう。マジーは攻撃魔法が苦手だから、サポートしてやってくれ

マジー・プリエール

まっ確かに、俺は攻撃系の魔法はマジ苦手なんで、助けがいてくれるとありがたいっすね

若奈

私やるよ!私達の国だし、将軍様を守らないと!

古森

どうやら、私もやるしかないようだな

ソール・グルナディエ

助かる。では行こうか

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