初めて見た彼は、私と何も変わらない男の子だった。
緊張しているのか、その表情はどこかぎこちない。

大臣同士が港で挨拶を交わしている中、彼はキョロキョロと見回していた。
始めてみる異国の風景、そして自分を見つめる好奇の目。
怖いはずがなかっただろう。

その時、偶然にも私と視線が合った。
あの瞬間は、その後も決して忘れることはなかった。

マジー・プリエール

ところで、先生は何故ここにいるんですか?さっさとディスナティに帰ればいいのに

ソール・グルナディエ

色々と事情があってな。もうしばらくこの国に留まることにした

マジー・プリエール

まさか、俺はこのまま帰れと言うつもりじゃないっすよね……?

ソール・グルナディエ

お前にはお目付け役が必要だからな。シャルムも同様だ

マジー・プリエール

……まぁ、いい息抜きにはなりそうっすね

シャルム・ソー

なんでしょう?軍の凱旋でしょうか?

古森

丁度いい時に来たようだな。あれは月に一度行われる神の行進だ

ソール・グルナディエ

神だと?

古森

そちらは神がいないのだったな。この国では、神が小さい子の成長を祈願して月に一度王都を巡っているんだ

シャルム・ソー

国が違うだけで、面白いですね

若奈

私間近で見るの初めてなんだよね!楽しみだなぁー

古森

あと、これには十国の将軍も同行するという話だ

ソール・グルナディエ

将軍…………

マジー・プリエール

来たみたいっすよ

セヘル

………………

シャルム・ソー

なんか、思ったよりネイティブな神様ですね

マジー・プリエール

マジであれが神様かよ

若奈

あ、なにか喋るよ

セヘル

全ての少女に祝福を!!

ソール・グルナディエ

………まさかの少女限定か

セヘル

あ、ついでに少年にも祝福を

ソール・グルナディエ

付け足した!?

セヘル

少年少女はこれからの十国、そして世界を作っていく。故に、私は子供たちの成長を祝おう

ソール・グルナディエ

もっともらしいことを言うな………

セヘル

あと、小さい子かわいいし

ソール・グルナディエ

ハート!ハート浮かんでる!!

若奈

ね?神様ってすごいでしょ?神様と視線が合うと、14歳までは幸せに生きられるんだって!

マジー・プリエール

……なんでそんな中途半端な

古森

水男殿、将軍様が見えたぞ

ソール・グルナディエ

なに!?

榊 十四郎

………………………

シャルム・ソー

あれが………将軍様?

マジー・プリエール

スゲェ……マジカッコいいぜ

若奈

あの人が、ソールさんの探してた人?

ソール・グルナディエ

こんな形で会うことになるとはな………

ソール・グルナディエ

十四郎………

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