キャンプ〜その3

キャンプ場に着いた。

梅雨時期ということもあり
週末でもキャンパーは少なかった。

京子達はまだ誰もいない一番奥のキャンプサイトにテントを張ることにした。

車から荷物を降ろすと、海、海のお兄さん、お兄さんの彼女、そしてマイクも加わりみんなが手際よくテントを張り始めた。

京子は学校の野外活動以外で個人的にキャンプなどしたことがない。

ましてやテントで寝るキャンプなど一度も経験したことがなかった。

だから何をどうしていいのかさっぱり分からない。

結局みんなの周りをうろうろしながら、時々なんとなく手伝う『振り』をしていただけだった。

マイク

京子ちゃん、まー落ち着いて。

マイクがそっと声をかけた。

京子

なに?落ち着いてるよ。

マイク

そしたらウロウロしないほうがいいですよ。

京子

してる?

マイク

してます。みんなの邪魔してます。

京子はもちろん邪魔しているつもりなど全然なかった。

京子

少しでもみんなに協力したいと思っていただけなのに。。。これじゃぁ海に悪いイメージを与えてしまう。。。

その点マイクはアメリカでもボーイスカウトに
入っていたこともありいろいろ役にたっていた。

そしてその作業をしながら会話も弾み楽しそうだ。

マイクはどんどんみんなと仲良くなっていくようだった。

京子

やっぱり私だけ浮いてるよ。どうせ私はオマケだし。。。

積極性に欠ける京子はどんどんイジけていった。

そんな京子の気持ちを救うように海が。。。

京子、車から赤いクーラーボックス持ってきてよ。

と頼みごとをした。

京子

あっ、オッケー!

京子は少しホッとした。

京子

よかった何か仕事もらって。
海ってさりげなくていいよね。

京子は嬉しそうに車の方に歩き出した。


すると。。。

マイク

あれは重いから京子ちゃんにはムリでしょう。僕が行きますよ。

と気を利かせたつもりなのだろう。

マイクが京子の一歩先を歩き出した。

京子

な、なんで?
私の仕事でしょうが!

京子は思わずマイクを止めようと焦り。。。

思わず背中を叩いてしまった。

驚くマイク。。。

マイク

な、なんですか急に?

そして自分のとった行動に焦る京子。。。

京子

マイクの後ろに虫がいた。

マイク

。。。

京子

で、でももう逃げた。

マイク

。。。

と、弁解すると京子はスルッとマイクの横を走り抜け、先に車の中のクーラーボックスにたどり着き、一人で運び出そうとした。



が、

京子

うっ!

思った以上に重い。

京子

落としたらどうしよう。

京子は半分車からはみ出し始めたクーラーボックスを落とさないように支えておくだけで精一杯だった。

京子

あああああ〜落ちるぅぅぅ〜

すぅ。。。

京子

あれっ

急にクーラーボックスが軽くなった。

マイク

じゃぁ二人で運びましょうか。

間一髪!

マイクが反対側を持って助けてくれたのだった。

京子

。。。あ、ありがとう。。。

マイク

京子ちゃんなんでもあんまり無理しないほうがいいですよ。

マイク

僕はいつも京子ちゃんの友達ですからね。

京子

。。。

つづく。。。

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