「BATTLE END!」
優斗の試合終了の合図と、機械音の試合終了の合図が鳴り、草原のステージが元の体育館に戻っていく。同時にデバイスが元の形態に戻り、武器化が強制解除される。
「ウオオオー!」
「サイコー!」
体育館は二人の試合を賞賛する声で満たされている。
「BATTLE END!」
優斗の試合終了の合図と、機械音の試合終了の合図が鳴り、草原のステージが元の体育館に戻っていく。同時にデバイスが元の形態に戻り、武器化が強制解除される。
「ウオオオー!」
「サイコー!」
体育館は二人の試合を賞賛する声で満たされている。
瑞希相手でも練成を使わないとはな。
昨日みたいに一瞬で終わらせられないようにしないと……。
俺は、この試合を見て、希の強さを今一度感じた。
はあ、希。
私の負けよ。
実戦で戦っていたら、確実に殺されていたわね。
瑞希はそう言って、希に握手を求めた。
瑞希さんの攻撃、隙がありませんでしたね。
技を当てるのに苦労しました。
希は瑞希に笑って言った。
あたりまえでしょ。実践に出る以上はどんな攻撃にも対応しないといけない。
でも、今回の試合で、改良の余地がまだあることに気がつけたわ。すごく感謝してる。
瑞希が希に言う。
あ、あとこれ。
瑞希はそう言って、希の手に銀色に輝くものを渡した。
あ、これ。私の……。
それは、希が首に掛けていたネックレスであった。
何だ、それ?
俺は、二人に話しかけた。
ああ、優斗。
さっきの私の攻撃で切れちゃったみたいなの。
大切なものなのか?
俺が聞くと、希は笑って言った。
う、ううん。
ただのアクセサリー。帰ったら自分で直すから大丈夫。
そう言って、希はネックレスをポケットにしまった。
チラッと見ただけで、よく見えなかったが、そのネックレスは人魚の形をしているように見えた。
あ、審判やってくれて、ありがとう。
瑞希は、俺からタブレットとマイクを回収すると、タブレットで何かを操作していた。
ああ、そうだ。
後でジュース奢れよ。
俺は、冗談交じりに瑞希に言う。
えー。私たち幼馴染でしょ?
わかった、わかった。冗談だ。
俺は、怒っている瑞希を笑いながら宥める。
俺が、ふと、後ろを振り返ると希がさっきのネックレスを見ていた。
…………。
どうした。希?
ううん。何でもない。
希は、ネックレスをポケットに入れ俺と瑞希に駆け寄ってきた。
さっきのネックレス。昔、どこかで見たような……。
俺は、そう思いつつも特に気に留めることなく、次かもしれない希との試合をどう戦うか考えるのであった。