カレン

先に 進みましょう▼

リズ

そうね。貴方達がここにいられる時間は少ないから。

櫂斗

ずっとここに居たら危ないのか?

シュリー

いや、そうじゃなくて…

体験時間とか?

モカ

はい、そうです。

佳穂

発言がメタいなぁ…

カレンとリズを先頭に真っ暗な森の中を歩いていく。
枝の折れる音の他に、奇妙な声があちこちから聞こえてくる。

カレン

この森を 抜けると
花畑が 見えます▼

リズ

そこがここのボスの居場所よ。

この森抜けても、綺麗な花畑っていうより、人食い花の畑がありそう。

シュリー

大丈夫、花は無害だから。

櫂斗

問題はそこのボスってことだな。

話していると、道が広くなり、一面幻想的な花畑だった。

佳穂

綺麗!

すごい……

花畑の美しさに感動していると、突然佳穂たちを囲むように霧が発生し始めた。

なんだろう、この霧…

シュリー

夏!!近づいちゃダメ!!

何かが近づいて来る音がした。 霧の中にいる見えない何かはこちらの様子を伺っているようだ。

この森を荒らすものは許さない・・・

櫂斗

おい、あれ・・・

佳穂

きゃあっ!!

カレン

佳穂さん !!▼

突然現れた大きなツタによって、佳穂は濃霧の中へ引きずりこまれていった。
戸惑っているあいだに、霧はさらに濃くなり、仲間の姿すら見えなくなっていく。

リズ

けほっ、ちょっと、この霧…

モカ

うっ……

シュリー

厄介な霧ね。私の魔法で…!

シュリーが呪文と唱えると、周りの霧を晴らすように風が吹いた。花びらが舞う中、次第に視界が広くなっていく。

佳穂

いやっ、放して…!

そんな簡単に逃がすと思っているのかしら。

現れたのは、黒いドレスを身に纏った金髪の女性。
綺麗な容姿とは対照的に、彼女の周りでは不気味なツタが大量に蠢いていた。

櫂斗

あれ、絶対ここのボスだよな

あの姿で雑魚キャラだったら、ここのステージで詰んでる。

モカ

こんなに早く彼女が現れるなんて…
もしかして、私たちがここに来ることを知っていたの?

リズ

タイミングが悪かっただけよ!
それよりさっさと倒すわよ!

モカは巨大なハンマーを取り出し、リズは拳を構えて戦闘体勢に入った。
しかし、相手は穏やかな笑みを浮かべたまま動こうとしなかった。

佳穂

…何?この胸のざわつきは…

モカ

佳穂さんを放して!!

リズ

あんたに構ってる時間なんてないんだからね!

モカとリズが同じタイミングで、敵に攻撃を叩き込んだ。

…はずだった。

かかったわね。

やめて!!二人共!!それは敵じゃない!

リズ

カレン。どういうつもり?
アンタ、敵の味方をするの?

モカ

何してるんですか!カレンさん!

カレンは、互いに殴りかかろうとしていた二人の攻撃を寸前で受け止めた。

カレン

目を覚まして !!
貴方達が見てるのは 幻覚よ!▼
敵は 向こうに いるわ▼

モカの様子がおかしい…

櫂斗

何やってんだよ、リズ!!
それはモカだぞ!?

リズとモカに仲間の声は届かず、二人の敵意はカレンへと向けられていく。

佳穂

何をしたの?

簡単な話よ。彼女たちには幻覚を見せているわ。自分たちの仲間が全て敵に見えるように。

そろそろ効果が出てくるはず。やがて、仲間も認知できなくなって暴れ始めるわ。

櫂斗

一番最初から、難易度高すぎねぇ?

あら、面白いことを言うのね。
一番最初のステージが簡単だなんて保証、どこにあるのかしら?

カレン

お願い!! 私の 声を 聞いて!▼

リズ

…………

モカ

…………

ギン。いけるか?

ギン

あぁ。彼女たちを助ければいいんだな。

このままでは、向こうのチームが全滅する。
その前に何とかしないと…!!

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