今日はどんな練習するのかな

雫は時計を眺めながら、放課後の部活動について考えていた。もちろん部員には桜花もいる

今の季節は、新入生勧誘のためのプログラムがどの部活でも行われているのであった

雫にとっては最後の勧誘…もちろん力が入ってしまうのも事実、そわそわしながらその時が来るのを心待ちしていた

面白い子が入ってくれたらいいなー

一方そのころ。二年生の教室では

桜花

ふわぁー
やっと終わりました

慧人

やっと帰れるー!!

桜花

駄目ですよけいちゃん
今日という日は、絶対に部活に連れていきますから

慧人

腹痛の予約が入ってるから帰りま…

桜花

そんな予約は入ってないので安心してください!

桜花は慧人のカバンを取り押さえると、サクサクと部室の方へ歩き出した

慧人

これは強制参加のルートだな

そして一つに教室の前に着いた時、桜花の足が止まった

教室のドアには手作り感満載の看板が掛けられている

〖声劇部〗
この部こそ、桜花と慧人の所属している部活であった

あ、桜花!
遅かったわね…って慧人君も一緒だ!

慧人

お疲れさまです、部長
相変わらず早いっすね

もっちろ~ん
そういう慧人君は桜花に引っ張ってこられた感じ?
まぁ、慧人君は我が部のエースなんだから来てもらわないと困るけどね

慧人

きょ…恐縮です

桜花

そうですよ…けいちゃんがいないと部活成り立たないことはないですけど…いろいろ不便なんですから。
もっと積極的に参加してください

慧人

…うっす

新入生もぼちぼち見学に来てるから、そろそろ発声の練習始めといてね~

そう言い残すと、雫は準備室を後にした

新入生の入り具合を確認するための偵察らしい。残された部員は各々、自分の役のセリフを読み上げたり、声の調子を整えたっりしていた

慧人

ん~
今のだとちょっとさわやかすぎるかな…桜花どう思う?

桜花

練習不足を指摘しようと思ってたのに…何の問題もないですよ。むしろこっちの要求に応えられていて悔しいです

慧人

やっぱ俺って天才なのかな

桜花

そうですね(棒)

慧人

語尾にかっこ棒を付けるな!

おお、声出てるね~
そろそろ準備オッケー?

桜花

はい

慧人

お前はでないだろ

桜花

そうですけど…返事はちゃんとしないと後輩ができた時苦労しちゃいますよ?

けいちゃんの王子様、見せつけて来てくださいね!応援してますから!!

慧人

見せつけるって言っても声しか使わないけどな!!
まー。任せろって。最高の王子様を演じきってみせるから

私も頑張ってくるね!

桜花

先輩もファイトです!一番応援してます!!

慧人

こいつらまたイチャイチャしやがって
だから部活来たくないんだっつーの

桜花

あ、けいちゃん!
いっぱい練習してきてくれてありがとう
でも、今度からはちゃんと部活に来てよ、待ってるからね

慧人

お、おう
後輩の指導のためにも来てやる

桜花

ありがとう、頑張ってきてね!

演者の背中を見送る桜花はの視線は、確信を宿していた

皆なら、きっと成功できる

その成功に私が居なくても…大丈夫。そう思えてしまうのであった

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