休日の昼間。二人は互いに向かい合って見つめ合っていた。
原因はただ一つである
……
……
休日の昼間。二人は互いに向かい合って見つめ合っていた。
原因はただ一つである
どうなされた。主たちよ。
先ほどから一言も発しておらぬぞ
当然このドラゴンのせいである
と、とりあえず……
どうしよう……
お嬢様だからというのを抜きにしてもどうすればいいか分からない状況である
ドラゴンと家の庭でドラゴンが生まれた時の正しい対処法など学校でなくても教えてくれない。
あなた、親はいるの?
さぁな
いたとしてもどこにいるかまではわからんよ
そうよね……
なんせ生まれたばかりだものね……
鈴はまた考え込んでしまった。
気まずい沈黙が流れる中、ドラゴンが口を開いた
ところで、私の名前はなんだ?
?え
確かに……
ドラゴンが生まれたって現実受け入れるのに必死で考えてなかった
せっかくの出会いだ。
考えてくれぬか?
絵梨香と鈴は顔を見合わせた。
これからこのドラゴンを母親の元に返すにしても、このままにしておくにしても、名前は必要であろう
名前……
絵梨香はいい考えある?
う~ん……
いきなり言われてもなぁ
考えてなかったなぁ
二人の間に沈黙が流れる
沈黙を破るように絵梨香が口を開いた
名前……龍太郎とか、どうかな?
は?
お嬢様とは思えない発言だった。
だ、ダメかな?
いや……なんというか……そのまんますぎじゃない?
そっか……
龍太郎……私は気に入ったぞ
えっ?
なかなか良い響きではないか
私の名は今日から龍太郎だ!
ほ、本人……いや、本龍がいいならいい……のかな?
こうして絵梨香によって無事名付けられた龍太郎であった……