彼女の名前は山名(やまな)絵梨香(えりか)。
神子山(みこやま)女学園に通う高校生だ。
どうしよう……
これ……どうしよう……
彼女の名前は山名(やまな)絵梨香(えりか)。
神子山(みこやま)女学園に通う高校生だ。
普通の学生かと言われれば、少し違うところはある。
この神子山女学園はいわゆるお嬢様学校である。
つまり、普通の高校生とは違うというのは、金銭面における感覚や、普段の生活基準といったところだ。
地から足は浮いているかもしれないが、、現実離れはしていない。
はずだった。
と、とにかく誰かに相談しよう……
絵梨香は今まで大事に大事に育てられていた。
そのせいか、自分の知らないことに対して酷く脆い。
特別な状況に動じない高校生というのもある種異常ではあるが、絵梨香は困ったことがあるとすぐに他人に相談する癖があった。
鈴~
どうしたの?
また何か困りごと?
そして、たいていの場合相談相手はこの阿見河(あみかわ)鈴(すず)である
絵梨香と同じお嬢様だが、行動力と冷静さを持った頼れる存在であった
うん……ちょっと見てほしいものがあるの……
来てくれる?
分かったわ
で?
見せたいものって何かしら?
これなんだけど……
なにこれ
たぶん、タマゴ……
いや、聞きたいのはそう言うことじゃないのよ……
なんの卵か聞きたいの……
さすがの鈴もかなり動揺していた。
何せ銀色に光る卵など見たことはおろか、聞いたこともない
わかんない……
どうしようこれ……
ちょっと!
これ動いてるじゃない!
分からないことだらけでパニックになる絵梨香と、タマゴが動いてることでパニックになる鈴。
そんなことを知ってか知らずか、タマゴにひびが入った
何か出てくる!
タマゴが勢いよく割れ、中から何かが飛び出してきた
これは……
……
ど、ドラゴン?
今見ているのは夢なのか?
そう思えてしまうほどのドラゴンが目の前にいた。
それも、生まれたばかりとは思えないほどしっかりとしたドラゴンだ
こ、これ……どうしよう……
さ、さすがに分からないわ……
そなたらが我が主か。よろしく頼むぞ
え?
は?
少し庶民感覚とずれているだけのはずだった絵梨香
その友人だった鈴。
この瞬間から、ドラゴンの主になりました
To be continued...