アスター・クライノート

…………というわけで、姉さん

アスター・クライノート

俺は一緒に行けない

クリエ・エーデルシュタイン

…………

アスター・クライノート

だーかーら、そんな目で見られても困るって

アスター・クライノート

一応俺だって少しは顧客を抱えてるの。事前に連絡があればともかく、急にきて一緒に宝石見に行こうなんて

クリエ・エーデルシュタイン

言われたのついさっきだもん……

アスター・クライノート

……あの、頼むから3時に突然来るとか今後はやらないでね。いくら姉さんでも怒るよ

クリエ・エーデルシュタイン

分かった

アスター・クライノート

……まぁ、今日は下見でしょ?そんなに気を張らなくていいよ

アスター・クライノート

分かってると思うけど、絶対に怪盗シャムロックだってバレないようにしてよ

クリエ・エーデルシュタイン

大丈夫だよ。任せといて

アスター・クライノート

頼んだよ。家族が捕まったなんて情報、どれだけ金を積んでも聞きたくないからね

クリエ・エーデルシュタイン

ところで、何書いてるの?

アスター・クライノート

話を聞くだけなんていうのも眠いだけだからね。鑑別書を作ってるんだよ

クリエ・エーデルシュタイン

…………鑑別書って?

アスター・クライノート

教えたことなかったっけ?鑑別書っていうのは宝石が純性か加工かどうか、買う人に教えるための書類みたいなものだよ。顧客を安心させるための上辺だけのものだけどね。なんせ、知識がない人は俺たちの言葉を信じるしかないんだから

アスター・クライノート

あと、これはまだ作ってないけど、今回はダイヤモンドだから鑑定書っていうのも必要になるんだ。これはダイヤの質を提示するための書類。ダイヤモンドの4Cって聞いたことあるでしょ?

クリエ・エーデルシュタイン

カラット、カラー、クラリティ、カットだっけ?

アスター・クライノート

よくできました。まぁ、これはあまり難しい内容でもないしね

クリエ・エーデルシュタイン

なんか……バカにされた?

アスター・クライノート

ちなみに言うと、顧客に対して品質や価値を保証する保証書なんていうものもあるけど、これはまた後かな

アスター・クライノート

姉さん、寝てないだろ?上の部屋使っていいから寝てきたら?

クリエ・エーデルシュタイン

いいの?

アスター・クライノート

書き始めちゃったら止まりたくないからさ。遠慮しないで寝ていいよ。俺しばらく寝ないから

クリエ・エーデルシュタイン

体壊しちゃうよ?

アスター・クライノート

一番体壊しそうなのは姉さんだろ?昨日シャムロックになって、ほとんど寝てないんだろうし

アスター・クライノート

9時ごろになったら起こすから、体休めて。いい?

クリエ・エーデルシュタイン

……じゃあ、お言葉に甘えようかな

クリエ・エーデルシュタイン

お休み、アスター

アスター・クライノート

うん。お休み

アスター・クライノート

全く、姉さんは変わらないな

アスター・クライノート

昔から、無理してるのをごまかすの得意だったからね。だから心配なんだけど

6ct  寝る前にお願いに

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