余計なことだよ
その2

ママはマイクの漫画の本を京子の物だと思い間違って捨ててしまったことを素直に誤った。

もういいですよ。。。

ママ

ほ、ほんとに?

はい。

そう言った後もマイクは無表情のままその場を動こうとしなかった。ママはまだ胸がドキドキしていた。

実は。。。あれは。。。僕が初めて買った漫画の本でした。

ママ

。。。!

京子

ほらきたよ。

京子がママに非難の目を向ける。

ママ

ごめんね〜マイク〜

もう一度ママは誤った。

いいですよ。

しかしまだマイクの表情は硬い。ママはもう一度聞く。

ママ

本当に許してくれるの?

はい。

ママ

ほんとかなぁ。。。?

ママは半信半疑だった。するとマイクが。。。

あれで僕、たくさん日本語勉強しました。

さらに傷口に塩を塗るようなことを言った。

マイクに悪気はない。

ママ

。。。!

でも大丈夫です。もう忘れます。

過去の思い出は忘れます。

そういうとマイクはトボトボとキッチンを出て行った。

そしてマイクが出て行く後ろ姿をしばらく見つめていたママは。。。

ママ

どうしようやっぱり怒ってる。

独り言のように呟いた。

京子

怒っているっていうより落ち込んでるんじゃないの。

ママ

もっと悪いよそれじゃ〜!
どうしよう京子。

ママは泣きたくなった。

京子

だからいつも人の物を勝手に触ったり捨ててりするなって言ってるじゃん。

ママ

どうしよう。。。

京子

新しいの買って返せばいいんじゃないの?

ママ

あっそうだよね!やっぱりそれがいいよね。それにさ、あの本ほんとに汚かったもんね。

ママ

表紙は取れてたし破れてたしシミもいっぱいついてたし落書きもあったし。。。

ママ

それに何度もページをめくった手垢もたくさんついてたしね。

だからあの本は。。。

京子

いっぱい思い出詰まってたって証拠だよね。

バタバタバタバタ。。。

ママは転げるように外に飛び出していった!

そしてその日の夜遅く

『見つけた!』

京子が一人でテレビを見ているとママがリビングに駆け込んできた。

ママ

今日に限ってゴミがまだ残ってた!よかった〜。

ママの目がウルウルしていた。

ママはあれからゴミ収集場まで走って探し出したのだ。

京子

うわすごい!

ママ

マイクに教えてくるよ。

ママは早くマイクに知らせようとリビングを出ようとした。

するとちょうどそこへマイクがニコニコしながら現れた。そして。。。

マイク

やっぱりあの本捨ててもらってよかったです。

と思い掛けないことを言った。

ママ

えっどういう意味?

マイク

じつは。。。

マイク

新しいの買ってきちゃいました〜!

京子

。。。

ママ

。。。

マイク

やっぱり新しいのはいいなぁ〜。

そう言うとマイクは嬉しそうに本の匂いを嗅いでいた。


そんなマイクを尻目にママは力なく部屋の隅に歩いて行く。

マイク

あれっママはどうしちゃったんですか?

京子

大丈夫心配しなくても。ただの更年期っていうのが来てるだけだから。

マイク

えっ?。。。ああ、そうなんですか。

と答えながらマイクは『更年期』って誰なんだろうと考えていた。

『ああゴミくっさ〜早く風呂入ろ』

8話:余計なことだ    その2

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