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港町クルナ
* * *
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港町クルナ
* * *
うーむ、また切りつけられないといいが……。
ん?なんの心配をしているのだ?
いや、その、昨日『斬り捨て御免』でサーシャとやらに切りつけられているからな……。
なんだ、あんたら知らんのか?
何をだ?
今の『斬り捨て御免』は威嚇しか許可されていないんだぞ?
へぇ?
本当に切りつけないようにある程度の間合いを開けて振ることが義務付けられている。故にここ1年での犠牲者はおらんぞ。
その間合いを無理やり
詰めたししなければ、な。
あ、そう言えばあの時。
ポメラは私をかばって私とサーシャさんの間に入って……。
うぐぐっ。
あ、安心して、ポメラ!
私はあなたのおかげで助かったのよ!
うぐぐぐぐっ。
どうやら、ポメラのライフはゼロのようです。
サーシャ・ドルバ
という名の母 中編
市場を抜け、閑静な住宅街を進むと、
ひとまわり大きな邸宅が見えてきました。
あれが、サーシャちゃん家だ。
大きな家ですね。
家こそ大きいが、サーシャちゃんはあまり裕福な生活はしておらん。
夫のミストに先立たれてから、サーシャちゃんは病気のサティンを女手一つで看病しているのだ。
旦那さんに……。
……!
家を離れなければならない時は、お手伝いさんを一時的に雇ったりすることもあるが……。
『私が死んだらサティンはどうなるの?』と言ってな、気丈に振舞っているんだ。
だから、サーシャちゃんは『斬り捨て御免』を必要以上に行使するところがある。
あんまり褒められた話ではないがな……。
女手一つ、か……。
* * *
あ、ウォーレウスのポメラだ!
やーい!お前んち役立たず―!!!
キッ!
うわーい、ポメラが怒ったー!!
逃げろー!!!
……。
……ポメラ、ごめんね……。
お母さんが戦えなくなっちゃって……。
気にしないで、お母さん。アタシ気にしてないから大丈夫だよ!
ポメラ……。
ごめんね……ごめんね……。
……。
お母さんの代わりに……。
アタシが戦う!
アタシが村一番の戦士になってアイツらを見返してやるんだ!
* * *
……。
サーシャちゃん、いいかね?
その声はヴォルクさんね。
ちょっと待って下さい。
いらっしゃ……あ!
ヴォルクさん、その後ろの方々は一体!?
俺の友人じゃ。
この方達にサティンの様子を診させてくれんか。
ならなんとかできるかもしれない、って言うんな。
えぇ!?サティンの病気を?
サティン君を私たちに診させて下さい。
真っ直ぐな瞳で
サーシャさんを見つめるシーラさん。
一方のサーシャさんは
視線をポメラさんの方へ向けます。
……。
……。
ポメラさんとサーシャさんは
お互い気まずそうな顔をしています。
しばらくの沈黙の後、
サーシャさんは口を開きました。
わかりました。
どうぞ、こちらへ。
お邪魔する。
ねぇ、ポメラ。気持ちはわかるけどもう少し愛想よくして!
だってよぉ……。
奥の部屋へ通されたシーラさん御一行。
そこにはベッドに横たわるサティンさん。
とても苦しそうな表情です。
はぁ、はぁ、はぁ
サティンは日に日に弱っています。
私にはサティンしかいません。サティンを失うことになったら私どうしたら……。
泣くんじゃない。
サティンを救う為にアタシ達が来たんだ。
……でも……。
私はあなた達に酷いことしてしまった……。
あの時、ホントは……。
ホントはやりたかったわけじゃないんだろ?
サーシャさんは少し苦しそうに
コクリ。
と頷きました。
……でも、それは言い訳です。
私はあなたに剣を向けた。
それは変わらない事実です。
……例えそうだとしても、子供の事を考えてやっちまったんだろ?
……。
……なら、いいさ。
な?シーラ。
ええ。
あ……ありがとうございます。
ふむ。では診るとするかの。
ソルフェージュさんは
サティンがかけている毛布を静かにめくります。
うぅ、これは。
サティンさんは顔を除く体中に
紫色の斑紋ができています。
ソルフェージュさんは
ふむ
といい、サティンの体に手をかざします。
そして、
シーラよ、この子供の斑紋の付近に手をかざしてみろ。
とシーラさんにも手をかざさせました。
こうですか?
なにか気づいたことはないか?
なにかというと……。
こう、なんというか一定周期で波長のような物を感じるような……。
この感じにどこかで覚えはないか?
えっと……。
あ、ズールで結界に近づいた時の感じに似てますね。
うむ、そうだ。
この紫の斑紋からは魔力が発せられている。
これは後遺症ではない。
もうちょっと、よく観察しなければならんな。
にゃはー☆!久しぶりに私の出番だね☆
ソルフェちゃん。
行っくよ―☆え~い!!
光屈折水晶《レンズ》!
これで紫色の斑紋をよーく見てね☆
といって、ソルフェちゃんさんは
シーラさんにレンズを渡しました。
なんか、ものすごーく小さい文字がびっしりと書かれているような……。
そうだねー☆
これはポイズン・エンチャント、呪詛毒だよー☆
非常に小さな呪詛の集合体で
呪詛である事を巧妙に隠している。
実に高度な呪詛だ。
それだけじゃないよ―☆
もう一つ厄介なことがあるよー☆
厄介?
ソルフェちゃんさんは
手のひらを上にむけて
呪詛解除
《アンチ・エンチャント》☆
と、唱えます。
すると、ソルフェちゃんさんの手の平に
炎のような光が立ちました。
見ててね―☆
えい☆
ソルフェちゃんさんが紫色の斑紋に
光る手のひらを当てようとします。
すると……。
ぞぞ ぞぞ…
う ぞ ぞ 。
ぞぞぞ
紫の斑紋は光る手を避けるように
移動しました。
い……いやぁぁ……。
うへぇ……。
すごく嫌な動きだな……。
台所で見たら発狂するような……。
ね☆
生ける呪詛
《リビング・エンチャント》なのー☆
……リ……
リビング・エンチャント!?
聞き慣れない言葉と
おぞましいその動きに驚くシーラさん。
果たして、シーラさん達は
サティンを無事に助けることが
できるのでしょうか?
つづく
【勇者勇の装備】
レベル :18
めいせい :186
ぶき :新品の短剣
よろい :鋼鉄のよろい
かぶと :銀の額当て
たて :なし
どうぐ :野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×2
霊薬草×5
淡水ザメの煮凝り
淡水ザメの骨
淡水ザメの牙
黒王の羽
いつもの額当て
王の冠
カジノコイン×2560
なかま :泉守ダイ
もふもふ
とくぎ :ファイアブレス
トキシックブレス
釣り
じょうたい:カジノ破壊の容疑者、森林を進行中
【シーラの装備】
レベル :11
めいせい :170
ぶき :いつもの本
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの飾り
たて :なし
どうぐ :やくそう×94
イーサ薬×9
乗船券×4
おみやげ×99
ガラスの破片
なかま :戦士ポメラ
大魔導ソルフェージュ
コボルト
とくぎ :しょうかん
値切り
冷やかし
虫の知らせ
ディゾネの思い出
じょうたい:パーティーリーダー