* * *

港町クルナ

* * *







ポメラ

うーむ、また切りつけられないといいが……。

ヴォルク

ん?なんの心配をしているのだ?

ポメラ

いや、その、昨日『斬り捨て御免』でサーシャとやらに切りつけられているからな……。

ヴォルク

なんだ、あんたら知らんのか?

ソルフェ

何をだ?

ヴォルク

今の『斬り捨て御免』は威嚇しか許可されていないんだぞ?

ポメラ

へぇ?

ヴォルク

本当に切りつけないようにある程度の間合いを開けて振ることが義務付けられている。故にここ1年での犠牲者はおらんぞ。

ヴォルク

その間合いを無理やり
詰めたししなければ、な。

シーラ

あ、そう言えばあの時。

シーラ

ポメラは私をかばって私とサーシャさんの間に入って……。

ポメラ

うぐぐっ。

シーラ

あ、安心して、ポメラ!
私はあなたのおかげで助かったのよ!

ポメラ

うぐぐぐぐっ。



どうやら、ポメラのライフはゼロのようです。













サーシャ・ドルバ
  という名の母(中編)

















市場を抜け、閑静な住宅街を進むと、


ひとまわり大きな邸宅が見えてきました。






ヴォルク

あれが、サーシャちゃん家だ。

シーラ

大きな家ですね。

ヴォルク

家こそ大きいが、サーシャちゃんはあまり裕福な生活はしておらん。

ヴォルク

夫のミストに先立たれてから、サーシャちゃんは病気のサティンを女手一つで看病しているのだ。

シーラ

旦那さんに……。

ポメラ

……!

ヴォルク

家を離れなければならない時は、お手伝いさんを一時的に雇ったりすることもあるが……。

ヴォルク

『私が死んだらサティンはどうなるの?』と言ってな、気丈に振舞っているんだ。

ヴォルク

だから、サーシャちゃんは『斬り捨て御免』を必要以上に行使するところがある。

ヴォルク

あんまり褒められた話ではないがな……。

ポメラ

女手一つ、か……。












* * *












あ、ウォーレウスのポメラだ!

やーい!お前んち役立たず―!!!

ポメラ

キッ!

うわーい、ポメラが怒ったー!!

逃げろー!!!

ポメラ

……。










ノーラ

……ポメラ、ごめんね……。
お母さんが戦えなくなっちゃって……。

ポメラ

気にしないで、お母さん。アタシ気にしてないから大丈夫だよ!

ノーラ

ポメラ……。
ごめんね……ごめんね……。







ポメラ

……。

ポメラ

お母さんの代わりに……。

ポメラ

アタシが戦う!

ポメラ

アタシが村一番の戦士になってアイツらを見返してやるんだ!












* * *





ポメラ

……。

ヴォルク

サーシャちゃん、いいかね?

その声はヴォルクさんね。
ちょっと待って下さい。

サーシャ

いらっしゃ……あ!

サーシャ

ヴォルクさん、その後ろの方々は一体!?

ヴォルク

俺の友人じゃ。

ヴォルク

この方達にサティンの様子を診させてくれんか。

ならなんとかできるかもしれない、って言うんな。

サーシャ

えぇ!?サティンの病気を?

シーラ

サティン君を私たちに診させて下さい。



真っ直ぐな瞳で


サーシャさんを見つめるシーラさん。





一方のサーシャさんは


視線をポメラさんの方へ向けます。



ポメラ

……。

サーシャ

……。



ポメラさんとサーシャさんは


お互い気まずそうな顔をしています。




しばらくの沈黙の後、


サーシャさんは口を開きました。



サーシャ

わかりました。

サーシャ

どうぞ、こちらへ。

ソルフェ

お邪魔する。

シーラ

ねぇ、ポメラ。気持ちはわかるけどもう少し愛想よくして!

ポメラ

だってよぉ……。










奥の部屋へ通されたシーラさん御一行。



そこにはベッドに横たわるサティンさん。


とても苦しそうな表情です。

サティン

はぁ、はぁ、はぁ

サーシャ

サティンは日に日に弱っています。

サーシャ

私にはサティンしかいません。サティンを失うことになったら私どうしたら……。

ポメラ

泣くんじゃない。
サティンを救う為にアタシ達が来たんだ。

サーシャ

……でも……。
私はあなた達に酷いことしてしまった……。

ポメラ

あの時、ホントは……。

ポメラ

ホントはやりたかったわけじゃないんだろ?




サーシャさんは少し苦しそうに

サーシャ

コクリ。


と頷きました。

サーシャ

……でも、それは言い訳です。

サーシャ

私はあなたに剣を向けた。

サーシャ

それは変わらない事実です。

ポメラ

……例えそうだとしても、子供の事を考えてやっちまったんだろ?

サーシャ

……。

ポメラ

……なら、いいさ。
な?シーラ。

シーラ

ええ。

サーシャ

あ……ありがとうございます。

ソルフェ

ふむ。では診るとするかの。



ソルフェージュさんは


サティンがかけている毛布を静かにめくります。


ポメラ

うぅ、これは。


サティンさんは顔を除く体中に


紫色の斑紋ができています。




ソルフェージュさんは

ソルフェ

ふむ


といい、サティンの体に手をかざします。


そして、

ソルフェ

シーラよ、この子供の斑紋の付近に手をかざしてみろ。


とシーラさんにも手をかざさせました。

シーラ

こうですか?

ソルフェ

なにか気づいたことはないか?

シーラ

なにかというと……。
こう、なんというか一定周期で波長のような物を感じるような……。

ソルフェ

この感じにどこかで覚えはないか?

シーラ

えっと……。
あ、ズールで結界に近づいた時の感じに似てますね。

ソルフェ

うむ、そうだ。
この紫の斑紋からは魔力が発せられている。

ソルフェ

これは後遺症ではない。

ソルフェ

もうちょっと、よく観察しなければならんな。

ソルフェ

にゃはー☆!久しぶりに私の出番だね☆

シーラ

ソルフェちゃん。

ソルフェ

行っくよ―☆え~い!!

ソルフェ

光屈折水晶《レンズ》!

ソルフェ

これで紫色の斑紋をよーく見てね☆


といって、ソルフェちゃんさんは


シーラさんにレンズを渡しました。


シーラ

なんか、ものすごーく小さい文字がびっしりと書かれているような……。

ソルフェ

そうだねー☆

ソルフェ

これはポイズン・エンチャント、呪詛毒だよー☆

ソルフェ

非常に小さな呪詛の集合体で
呪詛である事を巧妙に隠している。
実に高度な呪詛だ。

ソルフェ

それだけじゃないよ―☆
もう一つ厄介なことがあるよー☆

シーラ

厄介?




ソルフェちゃんさんは


手のひらを上にむけて

ソルフェ

呪詛解除
《アンチ・エンチャント》☆



と、唱えます。



すると、ソルフェちゃんさんの手の平に


炎のような光が立ちました。

ソルフェ

見ててね―☆

ソルフェ

えい☆

ソルフェちゃんさんが紫色の斑紋に


光る手のひらを当てようとします。



すると……。


  ぞぞ  ぞぞ…  
う  ぞ ぞ  。
   ぞぞぞ   



紫の斑紋は光る手を避けるように


移動しました。


シーラ

い……いやぁぁ……。

ポメラ

うへぇ……。
すごく嫌な動きだな……。
台所で見たら発狂するような……。





ソルフェ

ね☆
生ける呪詛
《リビング・エンチャント》なのー☆




ポメラ

……リ……

シーラ

リビング・エンチャント!?





聞き慣れない言葉と


おぞましいその動きに驚くシーラさん。





果たして、シーラさん達は


サティンを無事に助けることが


できるのでしょうか?



















つづく



【勇者勇の装備】
レベル  :18
めいせい :186
ぶき   :新品の短剣
よろい  :鋼鉄のよろい
かぶと  :銀の額当て
たて   :なし
どうぐ  :野ばらのペンダント
      焼豚×2
      焼きとり×2
      霊薬草×5
      淡水ザメの煮凝り
      淡水ザメの骨
      淡水ザメの牙
      黒王の羽
      いつもの額当て
      王の冠
      カジノコイン×2560
なかま  :泉守ダイ
      もふもふ
とくぎ  :ファイアブレス
      トキシックブレス
      釣り
じょうたい:カジノ破壊の容疑者、森林を進行中

【シーラの装備】
レベル  :11
めいせい :170
ぶき   :いつもの本
よろい  :いつもの服
かぶと  :いつもの飾り
たて   :なし
どうぐ  :やくそう×94
      イーサ薬×9
      乗船券×4
      おみやげ×99
      ガラスの破片
なかま  :戦士ポメラ
      大魔導ソルフェージュ
      コボルト
とくぎ  :しょうかん
      値切り
      冷やかし
      虫の知らせ
      ディゾネの思い出
じょうたい:パーティーリーダー

第39話 サーシャ・ドルバという名の母(中編)

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