心霊写真 鞍馬山編
心霊写真 鞍馬山編
鞍馬山は源義経さんが牛若丸時代に住んでいた場所だと聞いて、行ってみたいと思っていました。
鞍馬山に入って、鞍馬寺に行くまでの道。
ロープウェイは使わず、歩いていました。
木がいっぱいで、真夏でも涼しい感じです。
あ、この景色
いいな……。
途中に池があって、その池には上から人工的な滝が落ちてます。
ここで修行をするそうです。
観光客はちらほらいましたが、滝に打たれている人はいませんでした。
滝に打たれる人なんて、
いるのか？
と、思ったり思わなかったり。
でも、
光と影のコントラストが
いい感じかも。
逆光な感じが好きなので、
と、携帯で撮りました。
それを保存して、手を下ろした時です。
え？
なんで？
携帯から出たシャッター音に驚きました。
手を降ろしたときに、指が勝手に押していたようです。
デジタルだし、
消すのはいつでもできるから。
と、思って、その写真も保存しました。
でも、なんか、
楽しいな。鞍馬山。
と、その日は楽しく過ごしました。
家に帰って、パソコンで写真を見ていると……、
あれ？この写真
キラキラが多い？
人工の滝を撮った写真です。
樹々が生い茂り、薄暗いところに上から細く水が流れていたのですが、オーブというのか白を基調に縁が虹色の丸い物が一面に写っていました。
養成所の子に
見てもらおうかな？
ちょうど養成所に行く日だったので、そう思いました。
おはよ～。
おっす。
妖精さんがいました。
ねえねえ、
これ見て～。
と、言って、携帯で例の写真を見せました。
おわっ！
なにこれ！！
心霊写真かなぁ？
だねえ……。
あっさりと肯定されました。
どこで撮ったん？
鞍馬山
なん？
それ。
京都だよ。
他のもみていい？
いいよ。
そして、妖精さんは、次の勝手に撮れちゃった写真を見ました。
あっ！
妖精さんの手が止まりました。
どしたの？
これは？
勝手に撮れたの。
ちょうどシャッターに指が当たったみたいで。
こっちのがヤベーぞ。
え？
その写真は、地面が撮れていて、落ちた枯れ木が写ってます。
手が動いていたからか、ピントは合っていません。
水場が近かったからか、ぬかるんだ感じです。
全体が茶色い写真で、私には特に心霊写真には見えませんでした。
ネコちゃんに見てもらった方が、
よくわかるかも。
そこにちょうどネコちゃんが来ました。
ネコちゃん、
これ、みて。
ん？
人工の滝の写真を出して、ネコちゃんに携帯を渡しました。
あららら、
写ってるねぇ。
こんなにいっぱい写ってるの、
見たことないよ。
ネコちゃんは嬉しそうに言いました。
そうなん？
うん。
ほら、こことかこことか
あ、ここにもここにも……。
ネコちゃんは滝の写真を見ながら、指で霊がいるところ……、というかそれっぽいものだらけでしたが……、を教えてくれました。
そう言われてじーっと見ていると、光っている丸いものが顔のようにも見えてきました。
もしかして、
これ全部そうなの？
うん。
光っている丸いものは、
大量に写ってました……。
妖精さんにも見てもらったんだけど、次のもやばいって……。
ネコちゃんが次の写真を見ました。
ああ……。
どぉ？
うんとね、こっちのキラキラの方は
悪い感じがしないの。
ただ、数が多いだけ。
たまたま霊の集合写真が
撮れちゃったみたいな？
そうなんだ……。
霊の集合写真ですか……。
でも、こっちは……
勝手に撮れた方です。
なんか
良くない感じがする。
恨みの念みたいなものを感じるよ。
そうなの？
確認もせずに保存したんだけど……。
この辺に写ってるの
わかる？
わかんない。
写真の左側、木の上辺りです。
私には茶色しか見えませんでした。
ちょー
もっかい見して。
ん。
地面の方が出でいたので、そのまま妖精さんに渡しました。
すると、妖精さんは、
わぁっ！！
と、叫びました。
どうしたん？
と、聞くと、
これ、動いてる！
と、言いました……。
え？
私も見てみましたが、木しか見えません。
どこをどうみれば、
霊がいるように見えるんだ？
でも、凝視するのはやめました。
なんとなく、危険な感じがしたので……。
さっきは横向いてたのに、
今はこっち向いてるよ！
私はこっち見てるのしか
見てない。
…………どうしよう。
う～ん……。
二人とも、見えてもお祓いはできないそうです。
その写真を撮った場所は、鬼一法眼さんのお堂があって、義経さんは法眼さんの娘さんを手ひどく振ったという話があるとかないとか……。
あんのバカ男は～！
現在その写真は、使わなくなったパソコンの中に保存されているはずです……。
