気がつくと、カラフルな模様がただよう空間にいた。
周りを見ても誰もいない。

瞬間、目の前の空間が歪み、そこから人型の何かが出てきた。
徐々に解像度があがり、ドット絵みたいだったそれは綺麗な形になって佳穂の前に現れた。

こんにちは 佳穂さん▼

佳穂

貴方は?

可愛らしい服に身を包んだ、金髪の少女が佳穂に笑いかける。突然の出来事に戸惑いながら、佳穂は落ち着いて尋ねた。

カレン

私の 名前は カレン▼

カレン

この世界で 佳穂さんと 共に戦う
パートナー です▼

佳穂

私のパートナー…

カレン

はい▼

カレン

一人で 冒険するのは 危険過ぎます▼

カレン

この世界… 「Muder impulse」は
仲間や パートナーと 協力して
心を 強くするために あります▼

カレン

もし それが 出来なかったら…▼

佳穂

出来なかったら?

カレン

いずれは 仲間や パートナー同士で
殺し合いが 始まり 全滅は
免れません▼

佳穂

………っ

ゲームのタイトルの意味をさせられ、佳穂は言葉を失った。

自分も、彼女と協力していかなければ、この可憐な少女と殺し合いになるかもしれない。
考えるだけで恐ろしかった。

カレン

心配 しないで !!
短い 時間 だけど 私が 佳穂さんを
最後まで 護り抜きますから!!▼

カレンが佳穂の手をとった。
その手はあたたかいように感じられた。
佳穂は優しく握り返すと、カレンは嬉しそうに笑った。

カレン

それでは 行きましょう!▼
佳穂さんの お友達も 待ってますよ▼

佳穂

ええ。よろしくね、カレン。

カレン

こちらこそ!!▼

カレンは佳穂の手を引いて勢い良く走り出すと、電子の海に飛び込んでいった。

沢山のデータを掻き分けて、聞き覚えのある声の下へと進んでいった…

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