途中何度か休憩を挟みながら、どうにか家に帰りつきました。

高倉先生は鬼か悪魔だと思います。

こんな状態のボクを送りせずに追い出すなんて。

冗談じゃなく地獄に住めばいいのに。

折れそうな安い合鍵を回せば灯りのない我が家でした。

暗がりに鞄だけを置いて、テーブルの上の野口さんを掻っ攫います。

枚数を確認してみれば一人ですか、しけてますね。

文句を垂れながらも弁当と野菜ジュースを買って来て、目のチカチカする電灯を点けました。

何もない畳の部屋にビニールのくしゃりと潰れる音が転がります。

いただきます。

ごちそうさま。

ゴミを捨てて、布団を敷いて。

おやすみなさい。

また明日。

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