心霊写真 鎌倉編

養成所の友人の話をもうひとつ。

小さい頃から、

佳純

心霊写真を
撮ってみたい。

と思っていましたが、その願いが叶ったお話です。

鎌倉に行きたい!

と言う妖精さんと出かけました。

鎌倉に行き、鶴岡八幡宮でお参りをして、源氏池にかかっている橋を渡っていた時です。

うわ~。

と、妖精さんはテンションが上がってました。

ここかぁ!
なるほどねっ!

教えてはくれなかったのですが、何やら思い入れがあるような感じでした。

ねえねえねえねえ。
写真、撮って。

と、言われたので、

佳純

うん。

と、橋の欄干の前に妖精さんが立ち、池が写るように、

っと、何枚か撮りました。

そして、その日は楽しくおしゃべりをして、帰りました。

次の次くらいのレッスンの日。
受付で名簿に丸を付けていると……、

いた!

と、妖精さんが来ました。

佳純

おはよ~。

と言うと、

ちょっとぉ
これ見てよ!

と、写真を渡されました。
源氏池の橋で撮ったものです。

佳純

あら~。

妖精さんは欄干ぎりぎりに居たので、後ろは人が立てません。
でも、その後ろから

手が伸びて来てました。

妖精さんの腕をつかもうとするように……。
しかも、他の写真と比べて周りが薄暗くなっています。

手だけで体は見えません。
橋の下に人がいて、そこから手を伸ばしているようにも見えました……。

もちろん、橋の下には人が居られるスペースはないと思います。
それほど大きくない橋です。

佳純

やばくね?

心霊雑誌で読みましたが、心霊写真は薄ぼんやりしているのは大したことないけれど、カラーのものはかなり強力とありました。

くっきりはっきり
肌色してました。

佳純

でも、あれ?
なんだかこの手……。

見たことがあるような、ないような……。
そんな気が、うっすらとだけしました。

佳純

代表的な手?

物の怪の類が、人間をまねして、一般的な手を模倣してきたのか?

これ、やる。

と言われたので、慌てて、

佳純

いらないよ。
妖精さんが写ってる写真だし、私が持ってても……。

と、返しました。

霊感が強い友達に言われたんだよ。
「撮った人に原因があるって」

そう言って、私に渡そうとします。

佳純

え?私?

佳純

一般的にそうだとも聞くけど……。

心霊写真は「写っている人ではなく、撮っている人が原因ということもあるらしい。むしろそっちが多い」、と怪談話をしていた時に誰かが言っているのを聞いたことがあります。

佳純

心霊写真なんて、
怖くて持っていられないよ。

と、受け取りませんでした。

でも、今思うと……。

佳純

あれ、鎌倉で撮ったんだよね。
しかも八幡様。

源氏池は、八幡様の境内にあります。

佳純

そういうところに、
悪霊みたいなのって、
いないよね?

佳純

それに…………。

霊感がないので、真相はわかりません。
でも、思い当たるフシは、無きにしも非ずです……。

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