私の体質
私の体質
小さいころから怖がりなくせに怖い話が好きで、薄ぼんやりと「心霊写真って撮ってみたいな」とか思っていました。
怖い目にもいくらか遭っていますが、
霊感はゼロ
だそうです。
だから、自分がどんな目にあっていたのか、わかりません。
ただ、
普通じゃないよね。
宇宙人呼べる系。
あ~、それそれ。
と、とある養成所で言われたことがあります。
もちろん、宇宙人を呼べたことはありません。
そう言われたのは、養成所に初めて行った日だったと思います。
レッスンが終わって、初めて会った5~6人で雑談をしていました。
そして、私を除いた人たちは、みな霊感が強いという話になりました。
霊感が強い人って、
だいたいわかるよね。
あ~、そうそう。
なんか、共通の感じがあるんだよね。
わかるわかる。
みんなが、「霊感あるある」で盛り上がっている中、
私、わからないよ…………。
と言うと、
あ~、あなた、霊感ないよ。
そういう感じ、しないもの。
え~、けっこう怖い目、
遭ってるよ。
霊感はないんだけど……
普通でもないんだよね。
うんうん。
それで、「宇宙人を呼べる系」だと言われました。
そして、霊感強さランキングになりました。
この中で一番霊感強いのってさ、
ネコちゃんだよね。
え……、
そんなことないよ。
ネコちゃんはおとなしい感じでかわいい、最年少の女の子でした。
動物の声をさせると絶品です。
超絶かわいい。
いやいや、そんなことない。
ネコちゃん強いよ。
どっちかって言うと、
ウサギさんじゃ……。
という言葉はかき消され、
うんうん。
ネコちゃんが一番。
ということになりました。
確かに、外見的にも
霊感少女。
ネコちゃんは、どこか違う世界を見ているような雰囲気がありました。
第一印象は、〇ンダムの〇ラァです。
注)現在は成長して、綺麗なお姉さんになっています。
次は……。
ウサギさんかな?
……。
ウサギさんが、どう答えたのか、あまり覚えていません。
イメージですが、女性版織田●道さん?
なんか
はぁぁぁあああ!
と言って、悪いものを払いそうな感じがしました。
注)実際にそのような姿を見たわけではありません。
これ以降、ウサギさんと話した記憶が、あまりありません。
次、私だよね。
妖精さんは背の高い、顔も性格も男前な女性です。
雰囲気が人間離れしてました。
いろいろな意味で……。
素敵な歌声をお持ちで、また、ウィスパー(ささやき声)はダントツでした。
レッスンで聞いて、鳥肌立ちました。
ちょっと性格にキツイところもあって、イラっとすることもありますが、趣味も合ったし、仲良くしていました。
ああ、まあそうかな?
オレそこまで強くないし。
クマさんは、わりと口だけ気味な印象です。
妄想を現実に近づけたいようでしたが、
努力しないし
才能もない。
感じがしました。
彼が書いたポエムを見ましたが、
何、言ってんだかわかんねえんだよ。このクソかっこつけが。
と、思いました。
で、最後……。
私?
まあ、見えないんで……。
ラップ音聞いたり、金縛りにあったりはしてるんだけど……。
彼女たちは、もっとすごい体験をしているそうです。
その日の帰り。
そのメンバーで駅に向かっていました。
夕方で、まだ明るかったです。
なあ、そこの工事現場に、
人、入っていかなかったか?
駅も近くなっていて、お店が並んでいるのですが、そのうちの何軒かをまとめて工事していました。
そこは、工事用の白いシートで囲われていました。
え?
人、いた?
私は幽霊だろうと実際に生きている人だろうと、あまり周囲に注意を払わないので気が付きませんでした。
うん。
いたよ~。
ネコちゃんはあっさりと言いました。
そっちの路地、
入っていった。
私たちが通り過ぎた小さい路地を指しました。
今まで普通に話してたのに、幽霊のチェックとかしてたんだ?
イメージとして、幽霊というのは、
ちょっと黙っててください。
集中できません。
と、探すのかと思っていました。
普通に歩いて普通にしゃべっていました。
うん、
そうそう。
私はヤベって思って、
言わないでいた……。
あれ、けっこう
やばいヤツだよね。
うん……。
やっぱそうなん?
俺、うっすらとしかわかんなかったんだけど。
そういう感じの人たちでした。
その後、いろいろあって知ったのですが、私は憑依体質らしいです。
すっげー憑依体質。
よくまあこれだけ乗せられるよ。
と、霊感が強いという人に言われたことがあります……。
なんか乗ってるよ。
と、職場の人にも
言われました……。
悪いものではないそうです。
う~んとね。
「この人、なんか霊感ありそう」って霊が寄ってくるんだけど、気づかないからどっかに行っちゃうって感じ?
とも言われました。
自分では
わかりません……。
でも、うっすらと、
なんかいる?
と、思うことはあります。
気休めに、お守り持ったり、お塩を盛ったり、セージを焚いたり、水晶を着けたりしています。