神裂 希

 わっ――――――!

 ボタンを押すと同時に、私たち三人のいる部屋がエレベーターのように、地下に降りていった。

神裂 希

 どこに向かってるんですか?

風宮 梓

 秘密の場所よ。

 しばらくすると、この部屋が降下するのを止め、やがて静止した。

 ドアを開けると、そこには大きな模擬戦用の施設が広がっていた。

神裂 希

 ここは……、体育館?

 しかし、違っていた。

 造りは体育館と同じだが、窓は塞がれ、壁には、対魔導結界が何重にも施されている。

 何より、ここの音が一切外部にもれないように、防音魔法までしてある。

風宮 梓

 ここには、私たち生徒会しか入ることが許されない特別訓練室よ。

 つまり、他の誰にも見つからないってこと。

 その言葉は、特別訓練室の壁の反響で、拡声器で喋っているかのように響いた。

 そして、風宮会長はこう続けた。

風宮 梓

 ここなら、あなたの技が大勢の人に見られることもない。

 だからもう一度、全力で戦ってほしいの。

 会長が真剣な目で言った。

神裂 希

 それが、条件ですか?

 私は真剣な目で、風宮会長に聞く。

風宮 梓

 そうよ。ついでに、行動の自由も与えるわ。

神裂 希

 行動の自由……、ですか?

風宮 梓

 ええ。

 私の権限で、あなたはこの学園に在籍するだけで、授業に出なくても卒業ができるようにしてあげる。

 こんな好条件を逃す訳にはいかない。

神裂 希

 わかりました。

 でも、手加減はできませんよ。

金剛寺 猛

 お前、俺に勝つ気でいるのか?

 金剛寺が弱者を見る目で私に言ってきた。

神裂 希

 ええ、本気ですから。

 私は笑顔で金剛寺に言った。

風宮 梓

 じゃあ、二人とも準備は良いわね?

 私と金剛寺がお互いにスタートポジションに立つと風宮会長が、笑顔で言った。

 この戦闘にはどんな意味があるのか?

 私は、できるだけ、手の内を明かさないように戦うことにした。

風宮 梓

では、位置について。

 風宮会長が審判になり、模擬戦が始まる。

風宮 梓

 模擬戦、始め!

 BATTLE START!

 機械音が響き、模擬戦場が広大な平原に変わっていく。

金剛寺 猛

 その生意気な口。利けないようにしてやる!

 金剛寺が双剣型の簡易デバイスを形成し、私の方に向かって一気に距離を詰めてくる。

神裂 希

 死なないでくださいよ。金剛寺副会長。

 私は静かに呟いた。

第十七話:《生徒会2》

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