ボタンを押すと同時に、私たち三人のいる部屋がエレベーターのように、地下に降りていった。
わっ――――――!
ボタンを押すと同時に、私たち三人のいる部屋がエレベーターのように、地下に降りていった。
どこに向かってるんですか?
秘密の場所よ。
しばらくすると、この部屋が降下するのを止め、やがて静止した。
ドアを開けると、そこには大きな模擬戦用の施設が広がっていた。
ここは……、体育館?
しかし、違っていた。
造りは体育館と同じだが、窓は塞がれ、壁には、対魔導結界が何重にも施されている。
何より、ここの音が一切外部にもれないように、防音魔法までしてある。
ここには、私たち生徒会しか入ることが許されない特別訓練室よ。
つまり、他の誰にも見つからないってこと。
その言葉は、特別訓練室の壁の反響で、拡声器で喋っているかのように響いた。
そして、風宮会長はこう続けた。
ここなら、あなたの技が大勢の人に見られることもない。
だからもう一度、全力で戦ってほしいの。
会長が真剣な目で言った。
それが、条件ですか?
私は真剣な目で、風宮会長に聞く。
そうよ。ついでに、行動の自由も与えるわ。
行動の自由……、ですか?
ええ。
私の権限で、あなたはこの学園に在籍するだけで、授業に出なくても卒業ができるようにしてあげる。
こんな好条件を逃す訳にはいかない。
わかりました。
でも、手加減はできませんよ。
お前、俺に勝つ気でいるのか?
金剛寺が弱者を見る目で私に言ってきた。
ええ、本気ですから。
私は笑顔で金剛寺に言った。
じゃあ、二人とも準備は良いわね?
私と金剛寺がお互いにスタートポジションに立つと風宮会長が、笑顔で言った。
この戦闘にはどんな意味があるのか?
私は、できるだけ、手の内を明かさないように戦うことにした。
では、位置について。
風宮会長が審判になり、模擬戦が始まる。
模擬戦、始め!
BATTLE START!
機械音が響き、模擬戦場が広大な平原に変わっていく。
その生意気な口。利けないようにしてやる!
金剛寺が双剣型の簡易デバイスを形成し、私の方に向かって一気に距離を詰めてくる。
死なないでくださいよ。金剛寺副会長。
私は静かに呟いた。