明義が目を覚ますとLIFEから通知が来ていた
明義が目を覚ますとLIFEから通知が来ていた
アレンさんが退会しました……
あの人か……
アレンとは明義が寝落ちをしてしまった時に会話をしていた相手だった。
寝落ちしちゃったからやめちゃったのかな?
そこまで大げさではないと思うが、やめた原因の一端が自分にあるのではないかと思うと少し申し訳ないなという気持ちになった。
おーい!明義!
学校では昌弘が鬱陶しいくらいのテンションで話しかけてくる。
何かいいことでもあったのだろう
どうした?
お前の周りの気温が2度くらい上がってるぞ
これみてみ
そう言ってとりだした昌弘のスマホには「LIFE」の画面が映っていた。
昌弘も始めたの?
あぁ
チラッと覗いてみたら面白そうだったからな
あぁ、もちろんお前と芽衣子ちゃんの間を邪魔する気はねぇよ
そう言って昌弘はスマホの画面に目を落とす
画面をスクロールしながら昌弘はボソッと呟いた
それにしても登録してる人少ないなぁ
立ち上がったばっかりだからね
仕方ないよ
それもそうか
始業のチャイムが鳴り昌弘は席に戻る
さすがに明義も昌弘もスマホの電源を切り退屈な授業に身を投げた。
真田くんいる?
放課後、芽衣子は明義を教室に呼びに来た。
二人は実際に学校会うことは少ないが、LIFEではよくやり取りをするため久しぶりに話すという感じはない
むしろ普通より親しい友人といったところか……
真田君、LIFEのこと誰かに話した?
芽衣子はいつもの場所に呼び出すと開口一番で切りだした。
前回のこともあるため明義は答えに窮したが、どうせ嘘を言ってもあとでばれるのだ。
ごめん……
昌弘にだけ話した……どうしても教えろって言われたから……
昌弘って……いつも一緒にいるあの人?
うん
一応あいつにもほかに言わないようには言ってあるけど……
芽衣子は明義の顔を覗き込む。
さらさらとした芽衣子の髪からふわっと淡い香りが立つ
しかし、覗き込んだ眼は柔らかさとはかけ離れた、何かを確かめるように鋭いものだった
嘘はついて無いみたいだね……
少しトーンの落ちた声で芽衣子はそうつぶやき顔を離した。
学年でも噂になるほどの美少女を前に明義の心拍数は跳ね上がっていた。
でも、どうして突然そんなこと聞くの?
最近利用者が増えてきたみたいだからね
明義くんが広めたのかな?って思って
それはたぶん僕は関係ないよ
僕が広めたって効果はたかが知れてるだろうし
それもそうだね
ごめんね、疑って。
じゃあまたね
そう言って芽衣子は帰路についた。
明義も少し間を開けて学校を後にした。
明義にとって芽衣子は欠かせないものの一つになりつつあった……