学校についた明義を待っていたのは昌弘ではなく芽衣子だった。

明義

ど、どうしたのかな?

芽衣子

ちょっときて!

そう言って芽衣子は明義を引っ張った
周囲の目が妙に刺さる気がするがそんなことを気にしている暇はなかった

芽衣子

なんで昨日は私の投稿に反応してくれなかったの!?

明義

ご、ごめん
気がつかなかったんだよ……

芽衣子

せっかく応援してくれるって言ったんだから……
お願いね

そう言って芽衣子は教室に戻った
明義はあまりの気迫にその場で立ち止まった。

しかし考えてもみれば異常である。
たかが1日SNSでかかわりを持たなかっただけであの反応は常識的に考えておかしい

明義

んー
やっぱり何かあるのかな?

昌弘

辛気臭い顔してんな

昌弘が声をかけるが明義は上の空といった感じだ

昌弘

そういえばさ、昨日聞き損ねたんだけど、SNSサイトの名前何?

明義

あー
できれば教えたくないんだけど、そうもいかないんだよな?

昌弘

もちろん!
気になったことは調べないと気がすまねぇからな

明義

「LIFE」ってサイトだよ

昌弘

芽衣子ちゃんのIDまでは

明義

教えられないんだ
教えたくないんじゃ無くて、芽衣子ちゃんから口止めされてる

昌弘

ま、そう言うことならあきらめるわ
俺もやろうかなぁ

明義

他人に広めんなよ?
お前だから教えてるんだぜ?

昌弘

分かってるって

そう言って昌弘はひらひらと手を振って席に戻る
いろんな意味で察しのいい友人である

家に帰った明義は早速LIFEを立ち上げる。
芽衣子の投稿をチェックするためだ

あの気迫だと今日チェックしなかったら何を言われるか分からない

明義

とりあえず見たって印の代わりにいいねでも押しておこう

それらしい投稿のいくつかにいいねをつけた
すると明義のページにダイレクトメールが届いた。
差出人は芽衣子だった

芽衣子

いいね付けてくれてありがとー!

明義

いえいえー

あたりさわりのない会話をしていると芽衣子からあるメッセージが送られた

芽衣子

そう言えば、明日の数学の課題なんだけど……
問3が分からないから教えてー

芽衣子から頼られたということもあって明義は少しうれしくなった

明義

ちょっと待ってて

明義は課題をとりだし解答を写真を撮ってDMに貼った

明義

これでいいかな?

芽衣子

ありがとう!
また明日ねー!

明義はそのメッセージを読んでスマホを置いた。
特に誰かからメッセージがあるわけでもなく、することもないので明義は机に向かう
芽衣子とのやり取りを思いだしながら少しの疑問が湧いた

明義

すぐに解けるような問題だったのに……
そんなに苦手なのかな?

そんなことを考えながら残りの課題を進めた。

その日、明義のスマホに通知が来ることはなかった。

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