絵美

うわ~。
大きいベッド~。

俊之

俺のベッドはシングルだからな~。

絵美がベッドに俯せで倒れ込む。

そして顔を布団に埋めた。

俊之

どうした!?

俊之が絵美の隣に腰を下ろした。

絵美

ん~ん。
何でもない。

絵美が顔を上げて答えた。

俊之

そっか。

絵美が起き上がり、俊之の隣に座る。

絵美

なんか、恥ずかしいね。

俊之

恥ずかしいというか、
俺は落ち着かない感じかな。

絵美

うん。

俊之

こんな広い部屋で、
こんな広いベッドで。

絵美

うん。

俊之

シャワーを浴びるだろ!?

絵美

うん。

俊之

じゃあ、絵美が先に浴びてきちゃえよ。

絵美

うん。

俊之

どうした?
うん、
しか言わなくなっちゃたけど。

絵美

だから、なんか、
照れ臭いというか~。

俊之

俺もじっとしていると
落ち着かねーから、
早くHがしてーんだけどね。

絵美

それ、本当に落ち着かないからなの!?

俊之

そう言われると、
例え落ち着いていたとしても、
Hはしたいのかもしれないな~。

絵美

俊君のスケベ。

俊之

じゃあ、絵美は俺が
スケベじゃない方がいいの?

絵美

俊君の意地悪。

俊之

あはは。
とにかく先にシャワーを
浴びてきなって。

絵美

うん。
分かった。

そう言うと、絵美は立ち上がって、
バスルームへ向かう。

俊之達は先日、俊之の母から貰ったホテル代で、
駅前の市街地にあるラブホテルまで来ていた。

夕方にバスに乗って、
市街地まで出て来たのである。

市街地まで来なくともラブホテルはあるのだが、
そういう所は大体が車で利用をする所だったので、
俊之達の様な高校生が
出入りをするのは難しかった。

だから、俊之達は夕食デートも兼ねて、
市街地まで出て来たのだ。

そしてイタリアンのレストランで
夕食を済ませてから、このラブホテルに来て、
一番、安い部屋を選んで、
この部屋へとやって来たのである。

暫くすると、絵美が体にバスタオルを巻いて、
バスルームから戻って来た。

絵美

へへへ。

絵美はちょっと照れ臭そうだった。

俊之

なんか、その格好、エッチだな。

絵美

だよね。

少し恥ずかしそうに絵美が応えた。

俊之

じゃあ、今度は俺がシャワーを
浴びてくるから、待っていて。

絵美

うん。

俊之は立ち上がって、バスルームへ行く。

絵美は布団の中に潜り込み、
体からバスタオルを取って、
そのバスタオルを自分の枕の横に畳んで置いた。

絵美はすごくドキドキしている。

俊之と初めてHをした時もドキドキはした。

でも、今はそれ以上に、
ドキドキしているのかもしれない。

今まで俊之の部屋でHをした時は、
するとなったら、すぐに始まる様な感じだったが、
今は俊之がシャワーを浴び終えるのを待っている。

その間が絵美に、
いつも以上の興奮を与えている様だ。

そして絵美は、そんな自分がとても不思議で、
とても恥ずかしくも思った。

暫くすると、俊之がバスルームから戻って来る。

俊之は身に何も纏っていなかった。

そしてベッドに近づいて腰を振り、
すでに勃起しているぺニスを振り回す。

俊之

ほれ~。

絵美

やだ、もぅ~。

絵美は照れて、顔まで布団を被せてしまう。

そして俊之も布団の中に潜り込む。

俊之は絵美の顔を探り当て、キスをした。

そのまま乳房を愛撫し、背中を愛撫し、
尻を愛撫し、陰部を愛撫する。

そしてぺニスにコンドームを付けて、
ゆっくりと絵美の膣へ入れた。

俊之は少しの間をおいて、
ゆっくりと腰を動かし始める。

絵美が喘ぐ。

大きく喘ぐ。

そして俊之が、
喘いでいる絵美の口を塞ぐ様にキスをする。

俊之が少しずつ、リズムを早めていく。

絵美は俊之のキスから逃れて喘ぐ。

俊之は絵美を追いかけてキスをする。

何度かの追いかけっこの後、二人は共に果てた。

俊之はいつもの様に後処理を済ませると、
絵美の横に寝転がる。

俊之

あー、気持ちが良かった。

絵美

私も~。

俊之

久しぶりだったもんな。

絵美

そうだね~。

俊之

それにさ。

絵美

うん。

俊之

落ち着かない感じが
しなくなったよ。

絵美

そう!?

俊之

寧ろ、この広いベッドが心地好い。

絵美

うふふ。

俊之

絵美。

絵美

何?

俊之

好きだよ。

俊之はそう言うと、絵美に軽くキスをした。

絵美

私も好き。

絵美もそう言って、お返しのキスをする。

俊之

絵美は可愛いな~。

絵美

ねぇ。

俊之

ん?

絵美

今日、私、安全日なんだ。

俊之

それが!?

絵美

だから~。

俊之

生でしようって言うの!?

絵美

うん。

照れながら、絵美が応えた。

俊之

駄目だよ。

絵美

何で~!?

俊之

避妊はちゃんとしなきゃ。

絵美

も~。

俊之

万が一の事があったら、
どうするんだよ!?

絵美

だって~。

俊之

俺だって、
生で絵美を感じたいよ。

絵美

だったら、いいじゃん。

俊之

でも、俺達まだ、
高校生なんだよ。

絵美

そうだけどさ~。

俊之

子供が出来ちゃったら、
どうする気!?

絵美

う~ん。
そうしたら、産んで育てる。

俊之

本気で言っているの!?

絵美

うん。
俊君の子供だったら、
私、欲しいもん。

俊之

そっか。
だったら、俺達は
それでいいのかもしれない。

絵美

でしょ。

俊之

でもね。

絵美

何?

俊之

そんな事になったらさ。

絵美

うん。

俊之

俺のお袋、絵美の両親。
俺達を信じて
交際を認めてくれたのにさ。

絵美

うん。

俊之

そんな家族を裏切る事に
なるんじゃないかって、
俺は思うんだ。

絵美

う~ん。

俊之

絵美はそれでもいいの!?

絵美

ごめんなさい。

俊之

ほれ、みろ。

絵美

じゃあ、今日は諦める。

俊之

今日は!?

絵美

今度する時は、
ピルで避妊をしてみない?

俊之

馬鹿。

絵美

馬鹿って、酷~い。

俊之

確かに、さ。
これは俺の偏見なのかもしれない。

絵美

偏見!?

俊之

ピルに対する偏見。

絵美

うん。

俊之

俺、一応、ちゃんと勉強をしてさ。

絵美

そうなんだ。

俊之

それで俺達みたいな子供が
ピルを服用する事に、
賛否両論があるんだよね。

絵美

それは、そうだよね。

俊之

でね。

絵美

うん。

俊之

確かにピルってものが広まる事で、
不幸な妊娠を減らす事が
出来るとは、俺も思うんだ。

絵美

うん。

俊之

絵美が生でしたいって思うのと同様に、
俺だって生でしたいとは思うからさ。

絵美

そっか。

俊之

そして、それは、
みんなも同様だと思うんだ。

絵美

そうだよね。

俊之

でもね。

絵美

うん。

俊之

どうしても、薬を使って無理矢理、
妊娠をしない様にするって事に
抵抗を感じてしまうんだ。

絵美

そうなんだ。

俊之

もし、絵美がピルを服用して、
その副作用で変な事にでも
なりはしないかと。

絵美

俊君。

俊之

それに将来、絵美が子供を
産む事になった時、その子供に
悪影響があったりしたらって。

絵美

そっか。

俊之

それって、
俺の偏見なのかもしれない。

絵美

うん。

俊之

でもね。

絵美

うん。

俊之

それが偏見であろうとなかろうと。

絵美

うん。

俊之

コンドームで我慢をすれば、
済む事だとも思うし、
だったら、俺は我慢がしたいなって。

絵美

そっか~。

俊之

それにさ。

絵美

何?

俊之

高校生の内に全部を
経験しちゃう事はないじゃん。

絵美

経験!?

俊之

生のHは大人になってからの
お楽しみにとっておけば、
いいんじゃないかって。

絵美

それは、そうかもしれないな~。

俊之

だろ!?

絵美

我が儘を言って、ごめんなさい。

俊之

いいよ。
解ってくれたんなら、
俺、嬉しいよ。

絵美

俊君。

俊之

何?

絵美

キスして。

俊之

そんなもん、
言われなくてもしてやるよ。

そう言うと、俊之は絵美にキスをする。

そして二人は、そのまま二回戦へと突入した。

二回戦が終わると、少しの間をおいて三回戦へと。

結局、二人は朝まで体を重ね合った。

夜も明けてから、二人はやっと睡眠を取る。

三時間程、眠った後、
俊之が先に目を覚まして、絵美を起こす。

そして二人はシャワーを浴び、チェックアウトの
時間がぎりぎりになって、ホテルを出た。

ホテルを出た後、二人は喫茶店で朝食を摂る。

そして朝食を済ませると、
二人はバスに乗って、自宅へと向かう。

俊之達はすでに二学期が始まっていた。

そして、この週末は二学期が始まってから、
最初の週末だったのである。

俊之はこの後、一旦、自宅へ帰り、
バイトへ向かわなければならなかった。

バスの中から外に目を遣ると、
ちらほらと赤とんぼも飛び始めている。

俊之と絵美の二人は、
そんな夏の終わりを感じながら、
この週末の至福の時間の余韻に
浸っている様だった。

エピソード20/ラブホテル

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