覗きたい?
覗きたい?
遅めの昼食の後、すぐに吾助は町へ戻りました。
その日の夜、与兵と鶴太郎はいつもよりも早く布団に入りました。
ホントなら、もうちょっといい布ができるんだ。
綺麗だったじゃないか。
吾助もよくできてるって言ってたぞ。
これだから美的センスのない男どもは……。
…………。
面倒くさいから
触れないでおこう。
「お前も男だろ?」と、喉のところまで出かかりましたが、ホントに寸前で止めました。
言わなかったら、こいつが女だって、思い込める気がする……。
そんなことしても現実は変わりません。
成長する前の、ガキってことで……。
逃避するのはやめましょう。
でも俺、
そっちの趣味もないし……。
与兵?
寝ちゃった?
いや……。
ん……。
鶴太郎はそっと手を伸ばし、肩に顔を近づけてきました。
……………………。
足、治ったか?
うん。
もう痛くないよ。
痛くないかもしれないが、まだ完治じゃないって吾助が……。
大丈夫だよ。
お前が大丈夫って言ったって……。
じゃあ……
しないの?
そう言って起き上がると、与兵の横にちまっと座って覗き込みます。
……かわいい。
ん。
与兵は起きて鶴太郎の服を脱がせようとして、胸に触れました。
成長する前の、まだ発育していない幼女……。
と、自分に言い聞かせてみました。
そっちの趣味はもっとない!
そうですか。
あ……、
もしかして、母親が恋しくて人肌を求めている?
与兵は鶴太郎の顔を見ました。
へへっ
目が合うと、にっこりと笑いかけてきます。
なんて無邪気な笑顔なんだ……。
ガキそのものじゃないか。
こいつには家族もいなくて、家族が欲しいなら嫁になるという思考しかなくて、
助けられたら嫁になるしか恩返しのしようがないって思っているガキだぞ。
ねえ。
その無邪気な鶴太郎が、無邪気に声をかけてきます。
……。
なんだ?
与兵は鶴太郎を嫁として扱っていいのかと思っていました。
早くしたいから
脱がせて。
俺がこんなヤツに
しちゃったのか?
なんだかんだで服を脱がせていると、
そういえばコイツ、
服を脱いではたを織っているのか?
↑この疑惑です。
その時は、自分で脱いでいるのか?
はた織りしてるとこ見たいかも……。
自分で服を着たり脱いだりができるのかという心配をしているだけで、決して裸が見たいというわけではない……。
ていうか、どうして服を脱がなければはた織りができないんだ
結局はた織りって何をして布を作ってるんだ?
与兵は町育ちです。