同刻
山城国 京都本能寺
同刻
山城国 京都本能寺
はぁっ…はぁっ…む、無念だ…
の、信長様!
上様!妾はイヤでございます!
くっ…し、しかし儂はもう無理じゃ!
上様!
蘭丸、いけ、いくのじゃ!帰蝶とともにいけ!
信長様も一緒に…!
儂は…儂はもうダメじゃ…帰蝶、先にいくぞ…くっ…うぅっ
ガクッ
上様ぁぁ!
濃姫様、いきましょう!
うぅっ…妾は…妾は…!
ぐっ…濃姫様…!お早く!
ううぅ…くっ!いきますよ…蘭丸!
はい、濃姫様…!
あぁっ
ガクガクッ
の、濃姫様!うぅっ!
ガクガクッ
はぁ、はぁ…ふぅ
・・・
ピクピク
・・・
グッタリ
あー、儂もう疲れた…濃姫も蘭丸も激しすぎ…
う、上様ほどでは…
蘭丸、今宵も幸せでございました
たかが小姓と侮っておりました。蘭丸、その方があの様な手練の持ち主であるとは…
濃姫様こそ、信長様の正室に違わぬお器にございました…
と、とりあえず仲良くはなってくれたかな…?これで儂の苦労が減ると良いんだけど…
ーーー
…?
しかし、蘭丸はなかなか粘り強い太刀を持っておりまするな
粗末なものでございますが、かばかりでも満足頂けたのなら幸いにございます
ちょっと、二人共静かに!
何事でございますかや?
ーーー
信長様…?……!今のは?!
!まさか、また伊賀衆の曲者でございますか!?
二人共、着物を!誰ぞ!
力丸!小姓どもを集めよ!坊丸!女衆を集めて戸口を塞げ!
誰ぞ!南蛮鎧を持って参れ!あと、妾の薙刀も!
ちっ!
魔王信長殿とお見受けいたす
手討ちにさせていただく!
あぁぁーもう!儂疲れてるってのに!
でやぁぁ!
信長様!
蘭丸!儂、二対一とか無理!早く!
ただいま!
おのれ、手向かうか!
この森成利、貴様らのような雑兵の相手になりはせん!
伏せなさいませ!
!!
!!
曲者め!
ぐはぁっ
やぁやぁ!遠からんものは音にも聞け!近くばよって目にも見よ!我こそは木曽の女武者巴御前の成り代わり!木曽マムシ斎藤道三が娘、帰蝶である!
討てるものならお相手いたすぞ!
濃姫様すっげー…
マジ鬼嫁www
信長様!ご無事ですか!
力丸!儂は大事無い!
小姓どもを集めてまいりました…!敵は堀、壁を超えて多数侵入していると思われます!すでに何人か討たれました!
くっ…!よくも儂の部下を!
…!信長様!これを!
どうしたの、蘭丸…?む、これは…!
どうされましたかや?
鎖帷子だ…この編み目は、伊賀衆じゃないな…
おそらくは、甲賀衆
間違いないね…家康が言ってくれてたのに…迂闊だったなぁ、儂…
上様!姫様!
!あなたたち!
女衆は巻き込まれる筋はない、急ぎ逃げ出よ!
いいえ、上様!私達もお武家様に遣える身でございます!
濃姫様より薙刀の手ほどきは受けてございます!お傍においてください!
…み、みんなぁ…グスン
信長様!采配を!
…よし!ものども、儂に命を預けよ!
はっ!!
力丸!小姓を三隊に分け、内一隊を率いて退路を確保しろ!女衆の半数は力丸に従え!
はっ!
はい!
残りはここで儂と敵の責めを食い止める!良いか、食い止めるだけだ、討って出るな!
はっ!
力丸!長くは保たないぞ!急いで例の抜け穴を頼む!
はっ!よし、お前とお前と、それからお前たちだ!着いて参れ!
残りのものども!いいか、絶対に死ぬな!これは命令だ!戦なんてものでみだりに命を散らすことは儂が許さん!儂、戦国嫌いだから!
応!